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ページ36

*牛島side




「ウシワカに用あるらしい、じゃね五色くん」


そう言って、教室の中に入り友人の元へ行くA。
五色が俺に要件を伝える。

そのあと、少し間を置いて五色が言いにくそうに言う。


「牛島さんって、ウシワカって呼ばれるの嫌がってませんでした?」

「……そうだな、嫌だ」

「でもあの女の先輩、ウシワカって……いいんですか?」


恐る恐る俺の顔を覗きながら、五色がそう言う。
俺はAにウシワカと呼ばれて嫌だと思ったことは無い。

俺は五色に言う。


「Aは、いい」

「ええっ」


大袈裟に驚く五色。
説明を求める目をして、俺を見る。
俺は少し間を置いて、言った。


「Aの"ウシワカ"は恨み、嫌味、妬み、羨望、期待のような感情がないんだ」


意味がわからない、といった様子で俺を見る五色。
俺は付け加えるように言った。


「Aが言う"ウシワカ"はただのあだ名だ。それ以外のなんでもない」

「そうなんですか……」


どこか腑に落ちない様子で、返事をする五色。
チャイムがなるまであと3分。
五色は小走りに去っていく。

Aを見ると笑顔で、友人達と喋っている。
あの笑顔で、あの声で、俺をウシワカと呼ぶ彼女。

胸がキュッとしまる。

我→←は



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時雨彩(プロフ) - 中村千尋さん» コメントありがとうございます! テストの関係で更新できずすみませんでした。でもそう言っていただけて嬉しい限りです。これからもよろしくお願いしますね! (2019年9月6日 10時) (レス) id: 8a1a36a2a7 (このIDを非表示/違反報告)
中村千尋(プロフ) - いつも楽しませて頂いています!!この作品大好きです! (2019年9月6日 10時) (レス) id: a991a170a0 (このIDを非表示/違反報告)
時雨彩(プロフ) - いすださん» コメントありがとうございます!いすだ様の作品すごく好きです!そんな方に褒めてもらえるのはとても嬉しいです。これからもよろしくお願いしますね! (2019年8月28日 12時) (レス) id: 8a1a36a2a7 (このIDを非表示/違反報告)
いすだ(プロフ) - はじめまして。主人公と牛島のキュンキュンする小説で、いつもニヤニヤしながら見ています…!この後の展開、とても楽しみです!コメント失礼しました! (2019年8月24日 12時) (レス) id: cfa7055438 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:時雨彩 | 作成日時:2019年8月19日 22時

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