【牛島若利】牛島若利は青春のしかたを知らない【HQ】

盛 ページ26

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「ウシワカ、おはよう」

「おはよう」


最近、朝のウシワカが前よりも疲れてるように見える。
それでも席に着けば勉強を始める。


「最近、練習きついの？」

「春高が近いからな」

「へえ」

「応援来るか？」

「日によるかな」


そうか、と少し残念そうに言うウシワカ。
そのあと私の方を向いて言う。


「キャラメル、うまかった」

「あ、今？」


もう１ヶ月たった頃、ウシワカがそう言う。
ウシワカは口角をあげる。
私は口元が緩むのがわかる。


「ああ、うまかった」


そう言って、ウシワカがなにやらカバンを漁りだし、紙袋を取り出す。
そしてそれを私に差し出す。

私は少し戸惑いながら受け取り、ウシワカんk説明を促す。


「誕生日だろう？」

「え」


確かに、誕生日。
朝から友達にお菓子やらプレゼントをたくさんもらった。

どうしよう、嬉しい。
カーッと顔が赤くなるのと、心臓がキュッと痛くなる。


「気に入らなかったら捨てていい」

「捨てないよ！！」


そう言うと、ウシワカが少しびっくりしたようにそうか、と言った。
丁寧にシールを剥がして、袋を開ける。

中身を取り出してみる。
オシャレなケースに入ったリップ。
カポッと音をたてて蓋をとると鮮やかなピンク色。

ほんの少し甘い香りが漂う。

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