【HQ】英国貴族も楽じゃない【瀬見英太】 (ページ2)

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薔薇2本ページ2

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見慣れないキラキラと光る長い金髪。
優雅で色素の薄い瞼から覗く、澄んだ緑色の瞳。
真っ白な透き通るような肌。

これぞイギリス人というイメージを全て詰め込んだような美少女。
A……だったよな。

俺でもAと呼んでいいのか。
その前に俺が話しかけてもいいような相手なのか。

「瀬見様、どうぞよろしくお願いしますわ」

「お、おう」

流暢に日本語を話す彼女。
瞬き一回一回、全てが美しい。

休み時間になり、先生が教室から出ると瞬く間に彼女は取り囲まれた。
1目見ようと教室を覗く人さえいた。

「Aって呼んでいい？あたしはノノ！」

「私は夕妃」

「めっちゃ髪綺麗！肌白い！」

クラスの目立つ女子達が彼女を囲んで話す。
俺は内心ハラハラしながら、彼女を盗み見る。

「ええ、ノノ様、夕妃様。よろしくお願いいたしますわ。そちらの方のお名前は聞いてもよろしくて？」

「ウチはみくる！よろしく！」

「Aはなんでそんな話し方なの？」

「わたくしは英国を代表する公爵家の一人娘でございます故、名に恥じぬ行いをと思っております」

「へぇ、公爵家ってことは貴族だよね？」

すごいすごい、と声を上げる女子たち。
貴族なんて映画や絵本の中でしか存在しないものだというくらい縁がない。