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Noel side
ちゃかちゃんはおもむろに立ち上がって、自分の着てた上着を脱ぎ、松倉の肩にそっと掛けた。そして、松倉の前にしゃがみ込み、掬うように覗き見てゆっくり優しい声で言葉を放った。
「松倉、もう、大丈夫だよ、松倉。」
一瞬ビクッとした松倉が震える己の体を強く抱きしめながらも、顔を少しあげ隙間からちゃかちゃんをみた。
「…ちゃ、ちゃか…」
「大丈夫だから、松倉。…松倉、おれが守るから。」
そしてちゃかちゃんはそっと松倉の手を取り、ぎゅっと握りしめた。松倉はそれを拒むことなく、ボロボロと泣き出したのだ。完全に二人きりの空間だった。入る隙もない、二人だけの。
おれら５人はそれを呆然と見るしかなかった。
この空気感、おれらの知らない、松倉とちゃかちゃんの事情をありありと感じさせた。
もう何かあったんだろう、というより、ほぼ確信した。
あの人、佐々木さんにまつわる悪い噂はやっぱり本当で、松倉は被害者なんだろう。
少しばかり思考を巡らせていながら見守っていれば、松倉も落ち着いて来たようで、ちゃかちゃんが手だけでなく体を撫でて、大丈夫だよと何度も伝えていた。
心配そうに見守るしめしずに、落ち込む元太の肩を抱きながら何か考えてるような海人。みんながみんな、松倉のことを心配してるのに、おれらは何もできない無力さが悲しかった。
「…げんたは…？」
不意に聞こえて来た、か細い松倉の声は、大切な相方を指す声だった。
その声につられるように元太は松倉の横に腰を下ろした。
「かいと…？」
「…げんた、だい、じょうぶ…？」
まさかの質問に元太はちゃかちゃんを見て、ちゃかちゃんに促されるかのように、大丈夫、と口を動かした。
弱々しく、それでもニコリと笑って、よかった、と呟いた松倉は力尽きたかのように元太にもたれてまた目を閉じた。
え、と驚く元太に、ちゃかちゃんは、大丈夫、寝ただけだよ、と悲しく笑って見せた。
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ナツメ(プロフ) - 更新楽しみにしていました。作者様のペースで楽しみながら頑張ってください^ ^ (2022年1月11日 10時) (
レス) @page47 id: 8dc454fb00 (このIDを非表示/違反報告)
ぱん粉(プロフ) - また更新して下さって嬉しいです。有難う御座います。(^^) (2022年1月11日 7時) (レス) @page48 id: 7b4720bbb1 (このIDを非表示/違反報告)
しろごはん(プロフ) - Pさん» Pさん、コメントありがとうございます。お待たせしてすみません…のらりくらりですが続けていきますのでこれからも読んで頂ければ嬉しいです_(:3 」∠)_ (2022年1月10日 23時) (レス) id: a9eb0ed935 (このIDを非表示/違反報告)
しろごはん(プロフ) - イカさん» イカさんコメントありがとうございます。待っていてくれてたようでナミダナミダです。遅くなるかもしれませんがお付き合いください(；ω；) (2022年1月10日 23時) (レス) id: a9eb0ed935 (このIDを非表示/違反報告)
イカ(プロフ) - 更新ありがとうございます。続きが読めて、嬉しいです。また、楽しみにしています！ (2022年1月10日 23時) (レス) @page48 id: bba6564774 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しろごはん
| 作成日時：2021年6月27日 15時
