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到着して車を降りる前に、ドアを開けてくれたさちこさんが口を開いた。
「松倉くん。こっち、見て？……、松倉くん、昨日は怖い思いさせて本当にごめんなさい。あの人、雑誌社のお偉いさんとまだ仲良くしてたみたいでね、久しぶりに現場を見たい、だとか言ったみたいで、お偉いさんがうまいこと現場に連れ込んだみたい。周りの人も出禁知ってたけど、立場も立場で拒否仕切れなかった見たいなの。こんなの言い訳だね、本当に、ごめんなさい。きちんと事務所から掛け合って、もう二度と昨日みたいなことは起こさせないでって、先方にちゃんと伝えたから。」
「…さっちゃん、ごめんなさい…迷惑かけて、俺が、ちゃんとしてないから、俺が弱いからみんなに心配かけちゃって、迷惑かけちゃって、ほんと、ごめんなさい。」
「それは違う。松倉くんは何も謝ることなんかないから。弱くないし、迷惑なんてかけてない。むしろ事務所としてタレントを守れなかったこっちに非があるの。…昔約束したのにね。当分の間、私も現場でるし、送迎もする。松倉くんが、もう嫌ってなるぐらいずっとそばにいるから。不安になったり、調子悪いなって思ったらすぐ言って。松倉くんに苦しい思い、もうさせないから。…だから、しんどいと思うけど、お仕事、頑張ってくれるかな…？」
さちこさんの言葉に、うん、と小さくうなずいた松倉。それでもどこか不安そうな空気は消えなくて。でも、さちこさんも当面いてくれるって言うし、俺的には、俺だけじゃないと思えると、気が少し楽になった。
「ありがとう。それからね、松倉くんはもう一人でも、元太とふたりぼっちでもないでしょ？今の松倉くんにはメンバーがいる。宮近くんと私だけじゃない、みんな松倉くんの味方だから。…宮近くんも、ごめんね、今回またこんなこと起きちゃって、本当にありがとう。宮近くんも、一人で背負うことないから、いつでも頼って。」
そう言ってくれた、さちこさんは、いつものように優しく笑いかけてくれた。
松倉の手を取って、さちこさんとサンドイッチで楽屋まで向かうけど、松倉の手はやっぱり楽屋が近づくたびに力が強くなってく。メンバーに会うのが怖いんだろうね、お前を汚いと思うメンバーなんて絶対いないのに。一度乗り越えたはずの壁、昨日の一瞬でまたぶち当たる羽目になるなんて思いもしなかった。
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ナツメ(プロフ) - 更新楽しみにしていました。作者様のペースで楽しみながら頑張ってください^ ^ (2022年1月11日 10時) (
レス) @page47 id: 8dc454fb00 (このIDを非表示/違反報告)
ぱん粉(プロフ) - また更新して下さって嬉しいです。有難う御座います。(^^) (2022年1月11日 7時) (レス) @page48 id: 7b4720bbb1 (このIDを非表示/違反報告)
しろごはん(プロフ) - Pさん» Pさん、コメントありがとうございます。お待たせしてすみません…のらりくらりですが続けていきますのでこれからも読んで頂ければ嬉しいです_(:3 」∠)_ (2022年1月10日 23時) (レス) id: a9eb0ed935 (このIDを非表示/違反報告)
しろごはん(プロフ) - イカさん» イカさんコメントありがとうございます。待っていてくれてたようでナミダナミダです。遅くなるかもしれませんがお付き合いください(；ω；) (2022年1月10日 23時) (レス) id: a9eb0ed935 (このIDを非表示/違反報告)
イカ(プロフ) - 更新ありがとうございます。続きが読めて、嬉しいです。また、楽しみにしています！ (2022年1月10日 23時) (レス) @page48 id: bba6564774 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しろごはん
| 作成日時：2021年6月27日 15時
