皆のことは大好きなんだ。 #GENE (ページ10)

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No.10 ページ10

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先「今日はここまで。

次は確か3日後だからそれまでにほとんど踊れるように。」

そう言って先生がレッスン室を出て行ったあと、

メンバーはそれぞれ家に帰ったり、次の仕事に行ったり、知り合いと飲みに行ったり。

メンバーが全員レッスン室から出て行くと私のやることは決まって1つ。

残って自主練。

自主練はジェネの時だけじゃなく、EXILEやE-girlsの時も同じ。

メンバーだとしてもライバルと思ってるし、

グループだからって甘えたくない。

芸能界という厳しい世界の中で、

グループだと周りの力もあって個人でやっていくよりかは残りやすいかもしれないけど、

個人でも通用するくらいのパフォーマンスをしたい。

時計の針が10時過ぎを指した頃、

?「まだやってんの。」

声がした振り返るとそこには、亜嵐君がいた。

白「なぁ、なつき。」

亜嵐君は私の名前を呼んでレッスン室のど真ん中に座った。

私は黙ったまま亜嵐君の正面に静かに座る。

白「どうして俺らと口きいてくれないわけ?」

亜嵐君の優しい問いかけの裏には寂しさや心配の気持ちが受け取れた。

白「もう前のなつきに戻れないわけ?」

亜嵐君は私の目をじっと見つめ、視線を逸らすことはなかった。

『……今は戻れない。。』

白「どうしてっ。何があったんだよ。」

『理由は…言えない。』

リーダーの亜嵐君は人一倍グループやメンバーのことを考えているからこそ、

私を見て悲しい目をする。

『……こうなったのは全部自分のせいだから、、

だから絶対自分で何とかしてまた前の私に戻るから……。

皆のことは大好きなんだ、、……これだけは忘れないで欲しい。』

これが私にとってまともに亜嵐君と話した最後の言葉だった。

明日からはもう、仕事以外では話すことはないだろう。

だからこそ、伝えたかった。

皆が大好きだと。

白「分かった。

……俺らは待ってるから。」

そう言い残して亜嵐君はレッスン室を後にした。

私の目の前には亜嵐君が買ってきてくれたであろうスポーツドリンクが置かれていた。