皆のことは大好きなんだ。 #GENE (ページ49)

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No.49　小森side ページ49

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H「けど俺はなつきを手放したら、この先ずっと後悔すると思った。

だから俺はなつきにスカウトし続けた。

なつきの高校がどこか知ってたから、ちょっとストーカーのようになってしまうが、

毎日学校に会いに行って「LDHに入所してほしい」と頼み込んだよ。

そしたら渋々OKしてくれたって感じかな。

で、元々GENEの候補者が決まってからなつきをそこにプラスするつもりだったけど、

なつきが特別扱いみたいなのを嫌って

「ちゃんと自分の実力で自分の居場所を掴みたい」って言うものだから

パフォーマーのオーディションに参加して候補者の1人になって、今のGENEの1員になってる。」

確かあのオーディションで男しかいないはずの中に

すごい小さい女の子を見つけて驚いたのを今でも覚えてる。

周りの奴らも「場違いじゃないか」ってあざ笑ってた。

だけどその子はそんな声を気にせずにただただ自分のパフォーマンスをしてて、

俺自身も「かっこいい」って思ったほどだった。

H「最後に、君たちが一番気になってることについて。

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なつきの本名について。

なつきの過去についてはスカウトをOKしてもらう直前に知らされた。

俺はそれでも構わないと言った。

だが、これから夢者修行してデビューしてどんどん知名度が上がっていくと、

名前からなつきの過去が明らかになってしまうのは時間の問題だった。

だから候補者の顔合わせの直前に、

当時の葉月なつきに柚木という名前を俺が付けた。

それから戸籍上の名前も変えて今の柚木なつきがいる。

この話を聞いてなつきを今後どうするかは君たち次第だ。

なつきを辞めさせるのも休止させるのも自由だ。

君たちの出した答えに僕は何も言わない。

よく考えてくれ。」

「よく考えてくれ」の一言でHIROさんの話は終わった。

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俺らが会議室を出て行ったあと、

H「もういいぞ。」

＿＿ｶﾞﾁｬ。

『ありがとうございました。』

H「で?今の話を聞いてどうするつもりだ?」

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『……やっぱり、私はGENEを脱退します。』

こんな会話がされていたなんて、思いもしなかった＿＿＿＿＿＿。