皆のことは大好きなんだ。 #GENE (ページ16)

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No.16　片寄side ページ16

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＿＿＿『……もう前の私はいない。

、、私に期待するのはやめて……。』

そう言って俺を睨みつけ出ていったなつき。

だけど、なつきは泣いていた。

俺に初めて見せた涙に俺はなつきの気持ちが分からなくなった。

落ちたままのカッターナイフを龍友君が拾い上げる。

数「なつきは何がしたかったんや。」

佐「分からない。

だけど、もうなつきは昔に戻らない。」

中「これからどうする……?」

白「……俺ら以外の人の前では今まで通りで。

きっとなつきのことだからそこは自分でも理解してるだろ。」

皆は亜嵐君の意見に納得した様子で楽屋にもどった。

楽屋に戻ってしばらくしたあと、メンさん達が戻って来た。

水樹さんの腕には包帯が巻かれていた。

数「悪いけど、何があったのかもっかい説明してくれへん?」

水樹さんは少し戸惑いながらも話し始めた。

水「少しやらないといけないことがあって、

それを済ませて皆さんの楽屋に向かってる道中で柚木さんと鉢合わせてあの部屋に呼び出されて。

急にジェネのマネージャーを辞めるように言われたんです。

私はジェネが好きだしこの仕事にやりがいを感じているからお断りしました。

するとポケットからいきなりカッターナイフを取り出して……。。」

小「もういいですよ、無理しなくても大丈夫です。」

水「すいませっ、、ｸﾞｽﾝ、、、まさか柚木さんに嫌われてたなんて、、知らなくてっ。。」

泣き出す水樹さんを隼君やメンさんがなだめている姿を見ていた俺は、

どうしてもなつきは水樹さんが嫌いでこんなことしたのかとずっと考えていた。

俺らは“水樹さん”って呼ぶ中で唯一下の名前で“萌ちゃん”って呼んでいたなつき。

それに龍友君が拾ったカッターナイフ。

よく見たら刃の部分しか血が付いてなくて、

もし切りつけられたとしたら、血が飛び散ったり、持ち手の部分に血が付くんじゃないか。

そしたら、その腕の傷は……。

そう考えてしまう俺はこの場にいられなくなって、

片「悪いけど、俺帰る。」

と言い残して楽屋を出た。