繋がれた手から * Alan.S ページ10
ガチャッ
ドタドタドタドタッ
バーーーーンッ
亜嵐「A、帰ったぞーーーー!!!」
小さな紙袋と脱いだ赤いコートを持って、
勢いよくリビングのドアを開けて
満面の笑みで帰ってきた彼。
亜嵐「いやぁー、もうさー、ライブでAにずっと会えてなかったからもう会いたくて会いたくてしょうがなくてさーー!」
なんて、
ふぅーっとひと息ついて、
赤いコートと小さな紙袋を椅子に置く。
亜嵐「ほらっ!A!充電!」
って、
キラキラ満面の笑みで大きく手を広げる。
「…」
亜嵐「…」
笑顔で手を広げたまんま、
5回瞬きをして、10秒ほど固まる。
亜嵐「Aちゃーん?亜嵐くん帰ってきたよー??」
「…」
亜嵐「ぎゅーってせえへんのー?」
「…」
亜嵐「…Aちゃーん」
今そんな気分じゃないんだよ。
今気分ガタ落ちなんだから。
仕事で、
さんざん怒られて、
今日はミスばっかり。
うまくいかない。
亜嵐「…なんかあった?」
って、
ソファでクッションを抱いてうずくまっている私を、
下から覗く。
ごめんね
亜嵐はなにも悪くないのに
こんな自分が嫌になる。
気づいたら、
涙が頬をつたっていた。
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作者名:YUME | 作成日時:2018年4月5日 14時