▼ ページ19
深夜の1時は辺りを見渡しても
誰もいなかった。
疲れと睡魔に襲われて、
足がふらつく。
最終電車はもうとっくに行ってしまったため、
今日はバスで帰ることにした。
バス停まで徒歩10分。
駅の近くにある。
頭が痛い。
全身に力が入らなくて、
今にもこけそう。
ガタンッ
足に力がぬけて、
地面に勢いよく座り込んだ。
「…どうしよ、」
うまくいかない。
なんでこうなるかな。
仕事なんて辞めちゃいたい。
給料なんてよくなんかない。
生活だってギリギリなのに、
やってる意味なんてあるのかな
目の前が涙で霞んでよく見えない。
「泣いちゃダメだ…」
地面にうずくまる。
「…〜っ、」
私このままどうなっちゃうんだろう。
家まで帰る気力もない。
もうどうでもいいや。
涙が頬をつたった。
裕太「なにしてん、こんなところで」
…なんか声がした
知ってる声
優しくて大好きな、
裕太「大丈夫…？」
目を開いて、
ゆっくりと上を見上げた。
あ、
ずっと会いたかった人だ
裕太「！？…どしたん！？」
私の顔を見て、びっくりしたのか
勢いよくしゃがみ込む。
裕太「なんかあったん！？」
「なんで…」
裕太「…？」
「なんでここにいるの…？」
彼は、
私の質問に少し戸惑っていた。
彼は鼻を少しかいて、
裕太「…今日ぜんぜん見らんやったから」
照れてるのかな
裕太「なんかあったんかなって、ちょっと心配なって…」
少し頬を赤らめて、
照れくさそうに言った。
心配してくれたの？
こんな私を？
心配してくれる人なんているんだ
「…なんで場所わかったの？」
裕太「ゆうたやん」
「？」
裕太「世界の人々を助けるために来たって」
あ、
「…ほんとに？助けに来てくれたの…？」
裕太「いつでもどこでも助けにくるんで」
いた。
「…ふはははっ、なにそれ笑」
わたしのヒーロー。
裕太「そりゃ宇宙人ですから笑」
彼はまた目のしわをつくってクシャッと笑う。
“助けるために来た”
嘘じゃなかった。
ちゃんと助けに来てくれた。
宇宙の彼方から。
.
Fin*
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 35人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：YUME | 作成日時：2018年4月5日 14時
