ハグの日 * Hayato.K ページ15
毎週の火曜日に俺とAは、
ハグをしようと決めている。
恋ダンスで有名になったあのドラマのあるシーンで
毎週火曜日を「ハグの日」と呼んで
ハグをするというのを
2人でソファに座りながら見て
俺がなんとなく
「俺たちもハグの日作らない!?」
って。
それから、
俺たち2人は毎週火曜日にハグをするのが日課になっている。
少し、ていうか大分塩な俺の彼女さんは
俺からハグをしようとしないと
あっちからは来てくれない。
いつもハグをする時は、
仕事で帰ってきた時か、
寝る前に。
俺から手を広げないと来てくれない彼女が、
今日の火曜日だけは違った。
ピピピピッピピピピッ
隼「うわ、39℃も熱あんじゃん」
只今、彼女さんはインフルにかかっています。
「…大丈夫、なんてこと、ゴホゴホッ」
いやいや、
かなりきつそうにしてますけど。
隼「早くベッドで寝な?」
「でも夜ご飯作らなきゃ…」
いやいや、
夜ご飯作ってる最中にインフル菌撒き散らすでしょ。
やめてね。
俺結構、今仕事いい感じなんだから。
隼「夜ご飯はいいから、安静にしないともっと熱上がるよ?」
「…ごめん」
いつもは「ごめん」なんて言わないのに
熱ある時は素直になるんだね。
隼「なにか欲しいものある?近くのコンビニで買ってくるよ」
すると、
俺の袖を握るA。
「ここにいて…」
あらあら、
なんてカワイイの。
ほっぺがほんのりリンゴ色に染まって、
目がトロンってしてて、
今ものすごくギューってしたい。
でも今日はAが熱出したからできないか。
我慢しよう。
「ねえねえ、隼…」
隼「ん?」
「もう一つワガママ言っていい…?」
「いいよ」と返事をすると、
Aは俺の袖を持ったまま、
弱々しい声で言った。
「…ぎゅってして欲しい」
あらあら、
なんて可愛らしいワガママ。
いつもは塩なAだけど、
甘々なAも結構好きかも。
俺は「うん」とだけ答えて、
優しく抱きしめた。
今日は少し特別なハグの日でした。
.
*Fin
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作者名:YUME | 作成日時:2018年4月5日 14時