青空ソーダ (ページ24)

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結局、その日は頭痛がするって言って早退した。

そして、今日は土曜日です。

先輩の言ってた場所…この辺りなんだけど…

…ここって。

「ライブ…ハスウ…？」

ここに…渋谷先輩が…？

…とりあえず入ろう。

『こんばんわ。チケット代は１５００円です。』

「あ、はい…」

『ありがとうございます。スタートは７時半なのでしばらくお待ちください。』

ぼっーとしたまま、ステージから１番近いところに立った。

もしかして…渋谷先輩って…

色んな考えが頭の中をぐるぐる回っていた。

気づけばもうLIVEが始まっていた。

『こんばんわー！今日は盛り上がっていきましょう！』

目の前にはバンドセット。

感じるのは、熱い熱気とほんのりタバコの匂い…

…これ、どこかで嗅いだことある。

「…渋谷先輩…？」

鳴り響く音楽や盛り上がっている周りの人達の声が遠くに感じる。

この匂い…あの日の屋上思い出す…

『ありがとうございましたー！』

広がる声援すら、もうどうでもよかった。

私の目線は、完全に舞台袖にあった。

だって…そこにいるんだもん。

そして、

誰もいなくなった舞台に、

Tシャツに、ズボン。

真っ直ぐな目で、現れた…

渋「こんばんわ。渋谷すばるです。」

渋谷先輩…

渋「今日は来てくれてありがとうございます。よかったら聴いていってください。」

鳴り響く音楽と渋谷先輩の歌声…

ああ、すっごくキレイだな…

渋谷先輩の歌…すっごく心地がいい…

先輩…

私…先輩のこと、好きです…

舞台に上がっている先輩は、

いつも以上にカッコよくて、

いつも以上にドキドキした。

もう、好きが溢れて爆発しそうっ…

ああ、なんで伝えなくていいって思ってたんだろ…

私…自分が思ってる以上に先輩のこと好きなんじゃないの…？

見てるだけでいい、なんて嘘…

本当は…

…

…

…

渋「ありがとうございました！また聞きに来てください！」

先輩…

行かなきゃ。

今すぐ伝えたい…

渋谷先輩っ…！

「ちょっ…すみませんっ！」

人の間をくぐり抜け、やっとの思いで受付に着いた。

「あのっ…！さっき歌ってた渋谷さんはどこにいますか！？」

『え…？』

「教えてください！私、渋谷さんの後輩で…」

『あ、それなら伝言を預かってますよ？』

…え？

『ここに書いてあるところに来てと言っていました。』