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いつからだろう。彼を、「あの人」と呼び出したのは。
「……」
アーティに言われた言葉が、未だに頭から離れない。
そうだ。自分は、主人に嫌われているのだ。
まるで、Aのところと同じように。
「……くそ……っ……」
アーティのいうことは、最もだった。ロディもまた、Aと同じように主人との関係に思い悩んでいた。
(……俺も、同じだ……あの時、傷だらけのあの人を見捨てられなくて……あの人だって、笑ってくれていたのに。俺を頼ってくれていたのに。)
それでも、あの日。彼が、ローデリヒが成長して、大きな力を持つようになったあの日。
ロディは、彼に捨てられた。「関係はない」という、その一言で。
そこから、わからなくなった。自らの存在意義も、自らの正義も、なにもかも。
だからこそ、同じ境遇でも主に依存し続けるAが鬱陶しくて、八つ当たりし続けたのだろう。
(……違う……片割れなんて、みんな同じじゃねえか……)
主に憧れて、主の傍にいたくて、主を助けたくて役に立ちたくて、そして主に捨てられて。
片割れは、いつか必ず消える存在。主の捨て駒になる日が、必ずやってくる。
だから片割れは、人を、主を、思ってはいけないのだ。思ったって辛く、惨めなだけ。
「……だから、早く気づけってんだよ、Aっ……」
いつまでもそんなこと続けたって、自分が悲しいだけなんだ。
自分が、今現在そうなのだから。
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幻想曲(プロフ) - darkness duskさん» ありがとうございます!はい、更新頑張りますね(´∀`*)そう言っていただけるのが一番嬉しいです(^q^) (2014年9月4日 0時) (レス) id: 4fb4e092fe (このIDを非表示/違反報告)
darkness dusk(プロフ) - 初めまして。いきなり失礼します。続編おめでとうございます!いつも楽しみに読ませていただいてます!頑張って下さい! (2014年9月4日 0時) (レス) id: ff9839b328 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:幻想曲 | 作者ホームページ:http://uranai.amanoboru
作成日時:2014年9月4日 0時