検索窓
今日:6 hit、昨日:6 hit、合計:11,282 hit

◆40◆ ページ9

.



.



いつからだろう。彼を、「あの人」と呼び出したのは。




「……」



アーティに言われた言葉が、未だに頭から離れない。



そうだ。自分は、主人に嫌われているのだ。



まるで、Aのところと同じように。




「……くそ……っ……」




アーティのいうことは、最もだった。ロディもまた、Aと同じように主人との関係に思い悩んでいた。




(……俺も、同じだ……あの時、傷だらけのあの人を見捨てられなくて……あの人だって、笑ってくれていたのに。俺を頼ってくれていたのに。)




それでも、あの日。彼が、ローデリヒが成長して、大きな力を持つようになったあの日。




ロディは、彼に捨てられた。「関係はない」という、その一言で。




そこから、わからなくなった。自らの存在意義も、自らの正義も、なにもかも。



だからこそ、同じ境遇でも主に依存し続けるAが鬱陶しくて、八つ当たりし続けたのだろう。



(……違う……片割れなんて、みんな同じじゃねえか……)



主に憧れて、主の傍にいたくて、主を助けたくて役に立ちたくて、そして主に捨てられて。



片割れは、いつか必ず消える存在。主の捨て駒になる日が、必ずやってくる。



だから片割れは、人を、主を、思ってはいけないのだ。思ったって辛く、惨めなだけ。




「……だから、早く気づけってんだよ、Aっ……」




いつまでもそんなこと続けたって、自分が悲しいだけなんだ。




自分が、今現在そうなのだから。

◆41◆→←◆39◆



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (24 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
19人がお気に入り
設定タグ:ヘタリア , 夢小説 , 史実   
作品ジャンル:その他
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

幻想曲(プロフ) - darkness duskさん» ありがとうございます!はい、更新頑張りますね(´∀`*)そう言っていただけるのが一番嬉しいです(^q^) (2014年9月4日 0時) (レス) id: 4fb4e092fe (このIDを非表示/違反報告)
darkness dusk(プロフ) - 初めまして。いきなり失礼します。続編おめでとうございます!いつも楽しみに読ませていただいてます!頑張って下さい! (2014年9月4日 0時) (レス) id: ff9839b328 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:幻想曲 | 作者ホームページ:http://uranai.amanoboru  
作成日時:2014年9月4日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。