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しかし、時間は何も知らずに無情に流れていく。
結局、フロレンスもロディもAの変化に気がつくことはなかった。
イヴが話してしまっていたのではと疑っていたAだったが、どうやらイヴは誰にも言っていないようだった。
いつも、マフラーで口元を隠し静かにそこに佇むだけ。
Aは、そんなイヴを見て彼が何をしたかったのかよくわからなかった。
(……)
時の中で、戦争はまた進んだ。
今度は、圧倒的にこちら側が有利だった。多勢に無勢。この言葉がまるでひっくり返ったかのように、相手側の味方は少なかった。
だからだろうか。様々な戦いで、何度も何度もこちら側が勝利した。
Aにとっては、とても複雑な気分でしかなかった。
(……)
愛する人と、戦う。
それは心を知ったAにとって、何よりも辛く、悲しいことだった。
そんな争いを続けて、数年。
Aはエリザベータの影で、戦場で他の片割れと共に戦っていた。
「……よし、敵兵はこれで全部か……」
「大丈夫?俺、髪とか乱れてなあーい?」
「はいはい平気だよ綺麗綺麗。イヴは……まあ平気だろ。Aは?取り残してねえだろうな。」
「当たり前でしょ。私がどうやってそんな……」
その時。視界が捉えた、銀色の光。
振り向いちゃいけないと、どこかで声がした。
それでも、Aは振り向いた。
そこに、敵が、愛する人が、ギルベルトがいると気づきながら。
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幻想曲(プロフ) - darkness duskさん» ありがとうございます!はい、更新頑張りますね(´∀`*)そう言っていただけるのが一番嬉しいです(^q^) (2014年9月4日 0時) (レス) id: 4fb4e092fe (このIDを非表示/違反報告)
darkness dusk(プロフ) - 初めまして。いきなり失礼します。続編おめでとうございます!いつも楽しみに読ませていただいてます!頑張って下さい! (2014年9月4日 0時) (レス) id: ff9839b328 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:幻想曲 | 作者ホームページ:http://uranai.amanoboru
作成日時:2014年9月4日 0時