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その後、ひとしきりロディの話が終わったあと。イヴは、Aを隣の部屋に呼び出した。
扉を閉め、鍵をかける。誰にも入ってこれないようにしてから、イヴはマフラーを少しずらして口を露にさせた。
「……イヴ?」
「……」
イヴはまた辺りを警戒するようにきょろきょろと部屋を見回した。
おかしい。イヴの様子を見て、Aの中に彼への警戒心が生まれた。
(……何されんの、私。)
Aはそっと、懐に手を入れて忍ばせていた短剣を抜いた。いざとなれば、殺しても良いと思っていた。
イヴは念入りな調べを終えると、今まで開かなかったその口をようやく開かせた。
「……率直に答えて。一体何を隠している?」
「……はい?」
放たれた、意味のわからない問にAの口から出た返答はそんな言葉だった。
イヴは表情ひとつ変えずに、更にAに質問を続ける。
「隠しているんだろ?惚けても、さっきの様子を見ていた俺にはわかる。」
「……何言ってんの、そもそも隠してるって、何を……」
「敵対相手の化身との関係。」
「!」
肩が、揺れた。あまりにも、イヴの言葉は率直すぎたのだ。
しかし、そのことを揺すって彼は何を要求したいと願うのか。
すると、彼はゆっくりと口を開いた。
「……当たりか。……A。それなら、すぐにそいつのことは忘れろ。これは忠告だ。」
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幻想曲(プロフ) - darkness duskさん» ありがとうございます!はい、更新頑張りますね(´∀`*)そう言っていただけるのが一番嬉しいです(^q^) (2014年9月4日 0時) (レス) id: 4fb4e092fe (このIDを非表示/違反報告)
darkness dusk(プロフ) - 初めまして。いきなり失礼します。続編おめでとうございます!いつも楽しみに読ませていただいてます!頑張って下さい! (2014年9月4日 0時) (レス) id: ff9839b328 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:幻想曲 | 作者ホームページ:http://uranai.amanoboru
作成日時:2014年9月4日 0時