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「ジョングクくん」
「……？」
放課後の教室での出来事。
この前の帰りに話しかけてきた女子がまた自分に話しかけてきた。
「今日こそ言いたいことがあるの」
呼び止められて、彼女の言葉に耳を傾ける。
また告白されるのかな、俺。
今月で何回目なんだろう。皆でよってたかってこんな陰キャに告白するっていう罰ゲームでも流行っているんじゃないかと思うほどだ。
「……私、ずっと前からジョングクくんのことが、」
あなたにずっと、片思い♪
桃色、ロマンス、片思い♪〜
うわ、やばい。
いつのまにかマナーモードが解除されていたようだ。
しかもよりによってこの着信音は、テヒョニヒョンからだ。なんでこのタイミングで。
学校ではアイドルオタクなこと隠してるのに。
「ご、ごめん電話が、」
「あ、いいよ、出て」
「あ、いや、後で掛け直すから…」
もうっ！私の気持ちに早く気付いてよっ！♪〜
いつのまにか、2人しか居なくなってしまった教室に、推しの声が響き渡る。
まじで穴があったら入りたいってこのことだ…。
「…ジョングクくん、忙しそうだから、また話しかけるね。ごめんね、引き止めて！じゃあまた明日！」
うわぁ。絶対引かれたじゃん今の……。
別にアイドルオタクなことを恥じてるわけじゃないけど、学校生活が送り辛くなるのだけは嫌だな。
まあいいや。
制服のポケットから携帯を取り出して、着信を取る。
普段なんでもメッセージで済ませるタイプのヒョンが電話なんて珍しい。
「はい、もしもし」
『なあおい、大変だよジョングク、今何処にいる！？』
「……学校ですけど」
『急いで俺んちに来い！大至急！
まじでやばいことが起きた！』
携帯の向こう側で、テヒョニヒョンの声が響き渡る。
何のことか分からないけれど、とりあえず鞄を持って俺は教室を飛び出した。
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作者名：√ | 作成日時：2019年2月21日 14時
