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「ヒョンごめん!」




「おお、ジョングク!やっと来た!」
「すいません。
思ったより時間が長引いちゃって」




「……お疲れ。
あ、チェキも撮るよな?お前。
はいこれ、リリイベの券。」



こういう時、知り合いが居ると便利だなぁ、って思う。もし一人でオタクしてたら今からあの長蛇の列に並ばなきゃいけなかったんだ。
考えただけで震える。




すると、ヒョンは俺に澄ました顔をしたまま、
リリイベの券を何十枚も渡してきた。






いや、ヒョン、俺に何枚積ませる気だよ。





「支払いは後ででいいよ。
俺今余裕あるから」




あ、この人は、キムテヒョン。
俺をラビッツ仲間にしてくれた唯一のヒョンだ。
アイドルオタクをするために、夜の仕事でその資金を稼いでいる。





「ヒョン、今日も夜出勤?」
「いや、あったんだけど当欠する」
「え、大丈夫なんですか?」
「うん。多分」




適当なところが玉に瑕な人だ。
推しに対しては、すごく誠実だと思うけれど。





「記念すべきAちゃん初センター曲の発売日なんだから、今日はお祝いするしかないだろ」



「………………それな」





リリイベ前に、俺たちのテンションはものすごく変な方向へと向かっていた。









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作者名: | 作成日時:2019年2月21日 14時

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