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そうして決まったコーデは……。
うさぎが前面に大きく描かれた
大きめのクリーム色のパーカーに、
白いミニスカート。
それにクリームのロングブーツと
白いベレー帽を合わせて
白とクリームで統一。
かと思いきや深いブラウンのサコッシュで
コーデを引き締めて、完成。
試しに着てみて、
ベッドに座るみっちーの前でくるっと回った。
「どお？」と聞いてみれば、
「めっちゃええよ」と満足げに微笑む幼馴染。
どうやら明日のことについて心配する必要は
もうなくなったようで、
「ほな、お礼にカフェでなんか奢るよ」と声をかける。
「やったー！」
「ほら行くで〜」
扉を開けて部屋を出れば、
ひょこひょこついてくる足音が聞こえた。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_
「何名様ですか？」
「二人です」
案内された窓際の席に腰を下ろした。
向かいにみっちーもよっこらせ、と腰を下ろす。
「好きなの選んでええで」とメニューを手渡せば、
「どれにしようかな〜」と目を輝かせた。
その端正な顔立ちを見つめて、
こんなイケメンと幼馴染だなんて
つくづく私は幸せもんやなぁ
なんてぼんやり考える。
ガラス張りの壁越しに外を眺めれば、
道路沿いに並ぶ花壇の色とりどりの花が眩しい。
「じゃあこれにする」という声が聞こえ
視線を戻すと、
指さされていたのは大きなパフェだった。
「こんなおっきいの一人で食べれるん？」
「うーん……無理そうやから半分こしよ」
「あーええよ？」
いちごがふんだんに使われたそのパフェは
キラキラしていて、
まあ一人では食べようとは思わんものやし、
と頷いた。
「美智子は？他になんか頼む？」との質問に、
「ううん、大丈夫」と答える。
ベルを鳴らして店員さんを待つみっちーの横顔に、
思わず見惚れてしまった。
「ご注文お決まりになりましたか」
「このスペシャルパフェを一つお願いします」
こんなに大人びたやり取りも、
知らぬ間に出ていた喉仏も、
低くなってしまった声も。
みっちーだって成長しとる
なんてわかるのには充分すぎて、
嬉しいはずなのになぜか切ない。
いつか私を追い抜かして……
置いていってしまいそうで。
店員さんがいなくなりこちらを向いたみっちーと、
視線がぶつかる。
は、と優しそうに笑うみっちー。
「なんで、泣きそうになっとるん？」
「いや、大人になったなあ、って」
「まだ中三やけどね」
できれば、
高一になっても、
ずっとその先大人になっても。
私に頼らせてね？
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作者名：みづき | 作成日時：2024年1月5日 18時
