4.軽音楽部！ ページ7
「なあなあA、これから時間ある？」
新入生歓迎会が終わり、
私たち高一は午前中で帰れることになったのだけど。
小島くんのこの一言に、
私はしばらく学校に残ることになる。
「時間はあるけど……何で？」
クラスメートたちが帰っていく中、
小島くんは嬉しそうに笑う。
「誠也くん達が、部活の様子、見学に来るかって。部室でお弁当食べて、午後特別にやってくれるんやって」
「小島くんは行くん？」
「もちろん。まっさんと大晴と晶哉も行くで」
たった一日しか経っていないのに、
”まっさん”みたいな独特のあだ名にも聞き慣れてしまった。
特に私には悩む理由なんて無く、
二つ返事で頷く。
「ほな、まっさんたちんとこ行くか」
「おん」
背の高い小島くんの後ろを歩く。
きっちりと着こなされたブレザーは、
私のものよりいくつ大きいサイズなんやろう。
初めて入った四組。
入学から一日しか経っていないため、
私たちのクラスとさして差は見受けられない。
後ろの隅の席に集まって談笑する三人は、
やっぱり全員かっこよかった。
「お！こじけん来たー」
「あれ、Aちゃんもおるやん」
「Aちゃん、もしかして軽音部興味あるん？」
近寄ると、正門くんが質問を投げかけてくる。
「せやねん」と答えれば、
また優しく微笑まれた。
「やったー！Aちゃんと部活できるなんて最高や！！」と叫ぶ晶哉くんに、
小島くんが苦笑いする。
「え、何の楽器弾くん？」大晴くんの質問に、
「ギター」と小さい声で答えた。
「え、まっさんと一緒やん！なあなあまっさん、Aちゃんギター弾けるんやって！」
「おー、そうなんやぁ！俺もやでぇ」
「いや、でもそんなに上手くないから……」ともごもご言えば、
「じゃあ部室でギター借りて弾いてみてや！」と大晴くんが目を輝かせる。
いや、ほんまに……。
みんなが期待しとるほど、
全然上手くないから。
そう心の中では呟くものの、
結局大晴くんの押しに負けて
弾くことになってしまった。
「先輩たちもおるのに、恥さらしやぁ……」
「まあどちらにしろ入部したら聞かれるんやから、変わらんやろ」
小島くんの言葉に、
「まあ、そうやけど……」と答える。
ここにおるみんな、
さらに先輩たちが
一人演奏する私を見つめているところを想像するも、
やっぱり不安な気持ちが勝つ。
……でも、
自分の音楽が認めてもらえるかもしれへんチャンスに、
湧き上がってくるのは、
楽しみな気持やった。
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みづき(プロフ) - みさん» コメントありがとうございます！！感想を言ってくださったお方が初めてなので嬉しさで今胸がはち切れそうです……🥹これからもどうぞよろしくお願いします！！！！ (12月18日 18時) (
レス) id: 7f61fbad39 (このIDを非表示/違反報告)
み - 前作から読んでいました。今回のも楽しみに読まさせていただきます！更新頑張ってください (12月17日 12時) (レス) id: 6eca363505 (このIDを非表示/違反報告)
みづき(プロフ) - ご指摘ありがとうございます！以後気をつけさせていただきます。 (12月9日 7時) (レス) id: b2f60789f5 (このIDを非表示/違反報告)
苺たると。(プロフ) - １ページ目のこじけんの名前が小島建になってます(>_<) 小島健です！ (12月8日 21時) (レス) @page1 id: eae7988c87 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みづき | 作成日時：2023年12月6日 21時
