3.新入生歓迎会 ページ5
〜五十嵐side〜
翌日。
昨日は思ったよりもたくさん友達ができたなあ、
なんて思いを巡らせながら学校に登校した。
ホームルームが始まる一時間も前に来てしまったので、
学校はシーンと静まり返っている。
どうせ教室にも誰もおらんのやろうなぁ、と扉を開けた時、
思わずその美しさに見惚れてしまった。
席に一人座る小島くん。
頬杖をついて窓の外を見つめている。
開け放たれた窓から吹き込む優しい風に、
小島くんのさらさらな髪が揺れていた。
今日の青い空が、
小島くんのためにあるんじゃないかってくらい
綺麗に映えている。
小島くんは扉が開く音で気づいたんか、
こちらを向いた。
「あ……、おはよ」
「おはよ」
小さな声で答える。
昨日だいぶ仲良くなれたはずなのに、
それでもやっぱり緊張してまう私、だめやなあ。
心地よい風に頬を撫でられながら、
小島くんの隣の席に座った。
「ええ天気やね」
「おん」
電気のついていない教室内は外よりも暗く、
空の明るさが際立って見える。
空って、こんなに綺麗やったっけ。
「……早いな、A」
「いや、小島くんの方が早かったやん」
空から視線を右側に移した。
優しい瞳でこちらを見つめてくる小島くんに、
いささか鼓動が速くなる。
「中学生の頃から、好きやってん。早く来るの」
「ふーん……？」
「一人で外見つめとる時間が、色々ゆっくり考えられるし好きやねんなあ」
もう一度外を見てみれば、
なんだか心が落ち着く気がした。
こんな風に物事を考えている人に出会うのは初めてで、
でも私もよく考えるタイプだから、
仲間に出会えたようで嬉しくなる。
「……そういえば、」
「ん？」
小島くんの声に、
視線を右側に戻した。
「全然話変わんねんけど……いい？」「うん、」はらはらと髪が風に乱されるのが気になり、
手首に付けていたゴムで一括りにする。
「部活さ、どっか入ろうとか思っとるん？」
「あ……、それなら」
ふわっと心が浮き立つような感じがして、
ああ私は、この質問を誰かにしてほしかったんやろうな、
って自然と感じる。
頬が緩むのを隠せずに、
私は口を開いた。
「……軽音楽部、入ろうと思ってんねん」
「えっ」
「え？おかしい？」
目を見開いた小島くんに、
不安になって聞き返す。
でも、返ってきたのは
全然予想外の言葉で。
「……いや、ちゃうねん。俺……っていうか、仲いいあいつらもみんな軽音楽部入ろうと思ってたから」
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みづき(プロフ) - みさん» コメントありがとうございます！！感想を言ってくださったお方が初めてなので嬉しさで今胸がはち切れそうです……🥹これからもどうぞよろしくお願いします！！！！ (12月18日 18時) (
レス) id: 7f61fbad39 (このIDを非表示/違反報告)
み - 前作から読んでいました。今回のも楽しみに読まさせていただきます！更新頑張ってください (12月17日 12時) (レス) id: 6eca363505 (このIDを非表示/違反報告)
みづき(プロフ) - ご指摘ありがとうございます！以後気をつけさせていただきます。 (12月9日 7時) (レス) id: b2f60789f5 (このIDを非表示/違反報告)
苺たると。(プロフ) - １ページ目のこじけんの名前が小島建になってます(>_<) 小島健です！ (12月8日 21時) (レス) @page1 id: eae7988c87 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みづき | 作成日時：2023年12月6日 21時
