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〜小島side〜
今日も来るんやないかな、なんて。
ありもしない事に対して淡い期待を抱いた自分が、馬鹿馬鹿しい。
そんな風に期待してしまった俺は、今までそんなこと無かったのに……どうしてしまったんやろうか。
屋上にひとり、空を仰いだ。
『空が映えるなぁ』
『空が似合っとる』
『空が綺麗に見えるなぁ』
同じようなことしか言っていないはずなのに、Aの声が、一つ一つ鮮明に思い出せる。
でも、ずっと思っていた。
空が映えるんは、お前もやって＿＿。
始めて会った日。入学式の日。
隣の席に座っていたAは、今まで出会ってきた中で一番綺麗な人やった。
本を読んでいた彼女。軽く伏せられた目によって落ちる、長いまつげの影。白くなめらかな肌。ほんのり紅く染まる頬。
さらさらのミディアムボブの黒髪が似合っていて、思わず見惚れてしまうほどだった。
そんな彼女の後ろに広がっていたのは、どこまでも青い空だった＿＿。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
ホームルームが終わり、俺は部活に向かおうとカバンを背負った。
扉に向かって歩き出せば、「小島くん、まって」と小さい声が聞こえてくる。
振り向くと、こちらへ駆け寄ってくるAの姿があった。
五十嵐「部活行くんやろ？せっかく同クラなんやから一緒に行こうや」
小島「……おう」
弁当教室で食べたんかな……と、目の前のこととは別の考えがぼんやり浮かぶ。
また前を向いて歩き出し、隣をついてくるAをちらっと伺えば、こちらを見上げたAと丁度目が合った。
五十嵐「今日……お昼、屋上行けんかった」
小島「……」
俺が考えていたことを見抜いたのか、否か。
ただ単にその会話を始めただけなのか、その瞳からは読み取れない。
五十嵐「あのね、友達できてん、女の子の。それで、一緒に食べよう言われたから、あの、」
小島「別にええって」
何故か、言い訳をしているような、謝る方向へ持っていくような会話の流れを感じたから。
無意識にきつくなってしまう視線に、Aの目が見開かれた。
小島「別に、どこで食べようが自由やろ。昨日屋上で食べたから今日も屋上で食べなあかんって誰が決めてん」
五十嵐「……そうじゃなくて」
一歩俺の前に踏み出し、くるっとこちらに体を向けるA。
さらりとなびく髪以外も、全部、やっぱり綺麗で。
五十嵐「私、屋上行けんかったけど、小島くんと一緒に食べたかったなぁって」
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みづき(プロフ) - みさん» コメントありがとうございます！！感想を言ってくださったお方が初めてなので嬉しさで今胸がはち切れそうです……🥹これからもどうぞよろしくお願いします！！！！ (12月18日 18時) (
レス) id: 7f61fbad39 (このIDを非表示/違反報告)
み - 前作から読んでいました。今回のも楽しみに読まさせていただきます！更新頑張ってください (12月17日 12時) (レス) id: 6eca363505 (このIDを非表示/違反報告)
みづき(プロフ) - ご指摘ありがとうございます！以後気をつけさせていただきます。 (12月9日 7時) (レス) id: b2f60789f5 (このIDを非表示/違反報告)
苺たると。(プロフ) - １ページ目のこじけんの名前が小島建になってます(>_<) 小島健です！ (12月8日 21時) (レス) @page1 id: eae7988c87 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みづき | 作成日時：2023年12月6日 21時
