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「……お弁当、一緒に食べてもええ、ですか」
勇気を振り絞って小さな声で訊けば、
「そんなん俺が許可するもんじゃないわ。もちろんどうぞ」と優しい声が降ってくる。
ぱっと顔を上げると、
空を仰いで目を細める小島くんの横顔。
光に反射する長いまつげ、
優しい風になびくさらさらの髪、
綺麗な顔のライン。
……そんな小島くんを見て、
零れ落ちてしまう言葉。
「空が映えるなぁ……」
「え？」
小島くんと目が合い、
みるみる頬に熱が集まる感覚がした。
「いや、あの、えーっと」慌てて何か言い訳をしようとするも、
なかなか言葉が出てこず。
しばらくおろおろしていれば、
は、と不思議そうに笑った小島くんに、
引かれてはいないと
ほっと一息ついた。
「その、小島くんってさ……ほら、俗に言うイケメンやん？やから、空が似合っとるなぁって」
「……そんなん真正面から言われたん初めてやわ」
ふい、とそっぽを向いた小島くんの耳は赤くて、
言ってよかったかも、
なんて考えが頭をよぎる。
自分のお弁当箱を開ければ、
色とりどりのおかずに空腹感に襲われた。
もうちょっと意地悪してみたくて、
私はもう一度口を開く。
「今まで出会ってきた中で、いちばん空が似合っとるひとだよ、小島くんは。というかまず、空が映えるなぁなんて思ったの、小島くんが初めて」
「……ふーん……」
相変わらず赤い耳に、
思わず笑みが零れた。
「初めて小島くんのこと見たときも、空がいつにもまして綺麗に見えるなぁ、って思っててん。それは、小島くんが綺麗に見させとんのや、って気づいたんやけど」
「……そろそろやめて。……照れる」
正直に首を振った小島くん。
あまりに私の欲してたリアクションすぎて、
これまた笑いが止まらない。
「……笑うなや」
「ごめんて」
同じベンチに座っているから
教室の席以上に距離が近くて、
小島くんの香りがふわっと香るたびに
きゅっと心臓が締め付けられる。
卵焼きをぱくっと口に含むと、
私の好きな甘い風味が舌に溶けた。
「そういえば……ギター、買ったん？」
「ん？うん」
今度はいきなり小島くんから話しかけられ、
慌てて卵焼きを飲み込む。
目を閉じると、
瞼の裏に微笑む廉くんの姿が浮かび上がった。
「これや、ってやつに出会えて。でも、高かったから悩んでてん。やけど、正門くんにある言葉をかけてもらって、買お、って思えて」
「ふーん」
空は、私たちのことなんかお構いなし。
今日は、めちゃくちゃ綺麗な青空です。
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みづき(プロフ) - みさん» コメントありがとうございます！！感想を言ってくださったお方が初めてなので嬉しさで今胸がはち切れそうです……🥹これからもどうぞよろしくお願いします！！！！ (12月18日 18時) (
レス) id: 7f61fbad39 (このIDを非表示/違反報告)
み - 前作から読んでいました。今回のも楽しみに読まさせていただきます！更新頑張ってください (12月17日 12時) (レス) id: 6eca363505 (このIDを非表示/違反報告)
みづき(プロフ) - ご指摘ありがとうございます！以後気をつけさせていただきます。 (12月9日 7時) (レス) id: b2f60789f5 (このIDを非表示/違反報告)
苺たると。(プロフ) - １ページ目のこじけんの名前が小島建になってます(>_<) 小島健です！ (12月8日 21時) (レス) @page1 id: eae7988c87 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みづき | 作成日時：2023年12月6日 21時
