6.頼れる幼馴染 ページ12
夕焼けの赤色にすっかり染まった部屋。
カーテンを閉めて、
制服のままベッドにダイブする。
スマホを出してラインを開けば、
友だちリストに見慣れないアイコンが……九個。
いきなり増えてしまった連絡先に、
違和感しか覚えない。
いきなり明日正門くんと
ギターを買いに行くことになり、
正門くんとの連絡先の交換は必至であったわけだけど。
その流れで小島くんを始めとする高一のみんな、
さらに末澤くんや大橋くんなどの
高二、高三の先輩たちとも繋ぐことになり、
一気に"友だち"が増えてしまった。
とりあえず正門くんのアイコンをタップし、
〈明日はよろしくね〉と送信する。
スマホの電源を落とし、
私はベッドから立ち上がってクローゼットを開けた。
「…………」
一応整理してあるクローゼットを見つめるも、
明日の趣旨にあったこれと言ったコーデが
思い浮かばない。
……これは、
頼れる幼馴染に聞いてみるしかない！
＿＿そう、私には、
家が隣で生まれてから今この時までずっと
家族ぐるみで仲良くしとる男の子がおる。
私は再びスマホを取り出し、
幼馴染に電話をかけた。
……程なくして、
通話が開始される。
「あ、もしもし〜？」
『もしもしー。どないした？』
「あんなー、明日＿＿＿＿」
事情を説明すれば、
『おっけー。すぐ行く』とのこと。
相変わらずの頼もしさに
「頼れるなあ、」なんて口に出してしまえば、
電話越しに笑い声が聞こえた。
「ほな、待っとるね」と電話を切る。
すると、
通話を終了してから一分も経たんうちに、
インターフォンの音とお母さんの声が聞こえた。
ベッドに座り足をぶらぶらさせていれば、
ガチャ、と扉が開いて＿＿
私の幼馴染、道枝駿佑が顔を覗かせる。
「みっちーいらっしゃいませ〜。わざわざありがとうなぁ」
私が立ち上がれば、
その整いに整いまくった顔を緩ませて
「ええよ」なんて笑ってくれた。
みっちーこと道枝駿佑くんは、
私の一歳年下の幼馴染。
小さな頃は私の方が
身長も高かったのに、
すっかり私よりも位置の高くなってしまった
顔を見上げる。
みっちーは私のクローゼットを見るなり、
うんうんと頷いた。
「男から見たら、ギター買うぐらいやったらどんな格好してこられてもええと思うで！」
「なるほど」
もう見慣れているであろうクローゼットを見て、
「おーこのワンピース新しいやつやー」とか、
「これでもええなぁ」とか呟くみっちー。
やっぱり頼もしい幼馴染に、
私は安心する。
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みづき(プロフ) - みさん» コメントありがとうございます！！感想を言ってくださったお方が初めてなので嬉しさで今胸がはち切れそうです……🥹これからもどうぞよろしくお願いします！！！！ (12月18日 18時) (
レス) id: 7f61fbad39 (このIDを非表示/違反報告)
み - 前作から読んでいました。今回のも楽しみに読まさせていただきます！更新頑張ってください (12月17日 12時) (レス) id: 6eca363505 (このIDを非表示/違反報告)
みづき(プロフ) - ご指摘ありがとうございます！以後気をつけさせていただきます。 (12月9日 7時) (レス) id: b2f60789f5 (このIDを非表示/違反報告)
苺たると。(プロフ) - １ページ目のこじけんの名前が小島建になってます(>_<) 小島健です！ (12月8日 21時) (レス) @page1 id: eae7988c87 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みづき | 作成日時：2023年12月6日 21時
