変な後輩に懐かれました。。。【橙】

暗い気持ち ページ14

『ふぅ........』

宿題を終えた私は、息をはきだす。

シャーペンをしまい、今日のことを考えた。

『............。』

リリアさんに言われた、ジェルを譲ってって。

譲るもなにも、私のものじゃない。

ジェルが勝手に交際宣言したとはいえ、付き合ってなんかないし。

うなずくことも、否定もできない。

『はぁ.........』

特にやることもなく、スマホでゲームアプリを開いてみた。

........リリアさんが言ったこと、深く考えちゃ駄目。

私は関係ないんだから。

リリアさんがジェルのこと好きなのも。

ジェルが誰と付き合うかも。

リリアさんが......ジェルと付き合っても。

『.......っ』

なんでだろう。

それは関係なくない。

関係ありたいって思っちゃう。

スマホから出る音、声、映る文字が私の身体をすり抜けていくようで、集中できない。

ゲームも、楽しくない。

これはゲーム自体がつまらないわけじゃなくて、私の気持ちの問題で。

好き.....なのかな。

ジェルのこと。

本当は、リリアさんに渡したくない。

あんだけジェルを迷惑がって、ジコチューだけど。

本当は、交際宣言したとき、嬉しかったんだ。

照れ隠し、しちゃったけど。

好き。

ジェルが、好き。

恋に気づいた。

なのに、心は暗いまま。

恋ってもっと、可愛くてキラキラしてるんじゃないの？

私、これが初恋だからわかんないけど。

ジェルは私のこと、好きでいてくれてる.....？

毎日「好き」を言ってくれるけど。

あれは、遊び？

本心？

ジェルはなんで、交際宣言なんかしたの？

『............。』

聞きたい。

ジェルに、会いたい。

リリアさんに負けたくない。

すると、ラインの通知が鳴った。

『.......え！？』

ラインが来たことに驚いたんじゃない、差出人に驚いた。

.........ジェル。

来たメッセージはたったこれだけ

「会いたい」

私が思ってたのと、同じこと......！

『ふふっ』

変なの。

なんか運命感じちゃうじゃん。

私はゲームを終了し、ジェルにメッセージを送った。

『いいよ』

って。

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