いつでも ページ9
期末を終えてあとは夏休みを迎えるだけ、という随分と気が楽な期間。
しかも残す登校日はすべて午前授業で、帰宅部である私も、そして轟くんも号令が済み晴れて自由の身となったのである。
「轟くん！デートしよう！！」
「その言い方やめろ。で、何だ。」
「食べたいパフェがあるんだけどぼっちでいくのとかまじメンタル辛いから一緒に来てください！」
「そういうのは女子の友達と行くもんじゃねぇのかよ。」
「轟くんとがいいです！ちなみに奢るよ！！」
「仕方ねぇ。」
行くぞ、とカバンを手に取りドアを開けば、パッと顔を輝かせて後を追ってきた。
まるで背後にぱたぱたと動く尻尾が見えるみたいだ。心底、めんどくせぇやつ。
「なんか初上陸系のフォトジュニックなあれなのよ、いまどき流行りの。」
「ああ。店内とか商品がカラフルだったりとか、そういうやつか。」
「そそ。結構すごいボリュームなんだけど、いろんなフルーツが突き刺さってて絶対美味しいから！」
「突き刺さるってあんま美味そうな表現じゃねえな。....つかお前は俺を消化要因かなにかだと思ってるだろ。」
「もちろん！食べたいけど多すぎるって時に轟くん便利。」
「潔いいな。」
携帯に表示される経路。
学校の最寄りから電車で三十分と少し先に、目的地のピンが立てられていた。
ハート型のパスケースを取り出したAは、ふふふっと随分楽しそうな声を上げる。
「轟くんのお陰で赤点課題も提出できたし、補修も終えたし！あとは夏休み待つだけなんて最高。」
「夏休みになればその分の課題が出んだろ。」
「今年は七月中に終わらせまーす！まあそう言って終わったためしないけど！」
「だろうな。俺も同じセリフを同級生から100回くらい聞いてる。」
夏休み。
学校が終わると同時に家で過ごす時間が圧倒的に増えるため、例年どうにか予定を組み合わせてきた。
要するに、俺にとってはあまり待ち遠しく感じるに値しない行事だったわけだ。
けれど。
「とりあえず海とプールと浴衣で花火大会と....!!来年受験だし今年遊んどかないとね！」
目の前ではしゃぎまくるA。
その勢いに飲み込まれるように、ふと携帯でカレンダーのアプリを起動した。
スクロールする度に画面外へ消えていく日々。
4月、入学して席が前後になった。5月、学校に慣れ始めて。6月、初めてのテストでAが数学10点台をマーク。7月、今日を迎えた。
どの記憶を見渡しても、こいつがいる。
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23.4度(プロフ) - BLACKさん» コメントありがとうございます。これからシリアスに突入して二人の間にもまあ色々と起こりますのでぜひぜひよろしくお願いいたします！ (2017年9月24日 21時) (
レス) id: 8c7360ac03 (このIDを非表示/違反報告)
BLACK - ちょっとシリアスめがいいです！とても面白いです！これからも更新楽しみにしてます！ (2017年9月24日 17時) (レス) id: bbfe5e7001 (このIDを非表示/違反報告)
23.4度(プロフ) - 蛍さん» ご感想ありがとうございます！そう言って頂けて嬉しいです...！ぜひ最後までお付き合い下さい (2017年9月21日 17時) (レス) id: d0946bab96 (このIDを非表示/違反報告)
蛍(プロフ) - 見てる間めっちゃニヤニヤしてました！更新頑張って下さい！！ (2017年9月21日 10時) (レス) id: 630924d4f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：23.4度 | 作者ホームページ：http://nanos.jp/aoikasou/
作成日時：2017年9月18日 10時
