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次の日の朝は、いつもと違う色のパックを抱えていた。
「いつものじゃねえのか。」
「うん、今日は新作。アールグレイティーラテです。」
「なげえな。」
「わりといけるよ。」
いる？と差し出されるのは、薄紫色のパックから延びる白いストロー。
俺達はもう中学生。
マセガキといわれればそれまでだが、一応思春期に入っているとしてはあるわけで。俺の事が好きだ好きだと後ろを着いて回る癖に、まるでそういう事には無頓着なA。
どうにもつかみにくい性格をしていた。
「...むしろ確信犯か？」
「何が？」
少し迷うも、まあ相手が意識してないならノー勘だろという結論に至り、おとなしくパックを受け取る。
恐らくラテ化しない方が美味しい気もするが、これはこれで悪くない気もした。
そんな微妙な感想をはじき出す飲み物だ。
Aみたいな女子は好みそうな類の味だと思う。
「最近は何でもラテにしようとする傾向あるよね。」
「確かによく見かけるな。」
「一番当たり外れ大きいのはほうじ茶ラテね。カフェの奴はめっちゃおいしいけど、ペットボトルのほうじ茶ラテは邪道。」
「ダッツの期間限定はうまかったぞ。」
「あーすごいわかる。」
パックを返すと、本当に何の動作も見せずに自分の口に含むA。
....俺は何を考えているんだろう。
HRが始まるまでの三十分間。
誰もいない教室で過ごす二人だけの時間は、秘密の逢瀬の様で、こんな心底下らない会話も心地いいと思えてしまう。
「提案なんだけどさ。今度の期末、勝負しようよ。リプトンかけて。」
「結果はわかってんだろ。」
「いや、わかんないって。もしかしたら私が買っちゃうかもしれないじゃん？」
「どうだろうな。」
「まあまあ。わたしアールグレイラテね。」
「俺はどれでもいい。」
「じゃあ決まりね。」
中二に進級してから四か月目。
こいつのペースに流されるのも慣れてきた。
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23.4度(プロフ) - BLACKさん» コメントありがとうございます。これからシリアスに突入して二人の間にもまあ色々と起こりますのでぜひぜひよろしくお願いいたします！ (2017年9月24日 21時) (
レス) id: 8c7360ac03 (このIDを非表示/違反報告)
BLACK - ちょっとシリアスめがいいです！とても面白いです！これからも更新楽しみにしてます！ (2017年9月24日 17時) (レス) id: bbfe5e7001 (このIDを非表示/違反報告)
23.4度(プロフ) - 蛍さん» ご感想ありがとうございます！そう言って頂けて嬉しいです...！ぜひ最後までお付き合い下さい (2017年9月21日 17時) (レス) id: d0946bab96 (このIDを非表示/違反報告)
蛍(プロフ) - 見てる間めっちゃニヤニヤしてました！更新頑張って下さい！！ (2017年9月21日 10時) (レス) id: 630924d4f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：23.4度 | 作者ホームページ：http://nanos.jp/aoikasou/
作成日時：2017年9月18日 10時
