せきがえ ページ2
HRで突然担任の手により書かれたのは『席替え』の三文字。
新学期はじまって三か月といった所だ。
第一回席替えをするにはちょうどいいころあいだろう。
「ええ待って嘘辞めて先生！！轟君と離れたくありません！！」
「うるさいぞー浪崎。じゃあ前から順にくじ引いてけ。」
「先生！！！」
もはやこの流れも見事にスルーされてしまうほど、担任とクラスメイトはAに慣れ切っていた。
恥ずかしいとすら思わない。
「轟君が居なくなったら私どうやって課題提出すればいいんですか！？」
「普通にやれ。というかいいのか、先生の目の前でそんな自白して。」
「あ。」
なんでもないでーす。と今更すぎるが引き下がるあたり、担任もこいつの扱いを分ってきているようだった。
なるようになるだろう、と特に関心を持てずにいた俺は窓の外を眺める。
花が落ち切り緑の葉を見せ始めた桜の木がグラウンドには植わって、丁度良い具合に木漏れ日を落していた。
あそこに寝そべって昼寝でもすれば気持ちがよさそうだ。
「ねえねえ轟君。はなれちゃうよ私達！」
「いいんじゃねえの。」
「何がいいっていうの。」
「いやもう、全部。」
こいつの相手をしているよりは多少有意義な時間が過ごせそうである。
背後から身を乗り出して、ちょんちょんっと肩を叩いてくるA。
振り向くまで絶対にちょっかいを出し続けてくる。
堪忍して視線をくれてやれば、頬に食い込むAの人差し指。
「ひっかかった。」
「お前....。」
...特に何も言う事が思い当たらない。
もはやその労力が惜しい。
「なにその憐みに満ちた目。...ってほら、轟君くじ引く番だよ！」
「.....ああ。」
立ちあがって教卓をめざし歩きだせば、背後から注がれるはもはやうるさいほどの視線。
その送り主はもちろんわかってる。
「さーどれがいいかな。私これにしようかな...。轟君どれにする？」
「別にどれでもいいだろ。」
「じゃあこれは？」
「お前がそれって言うなら俺はこっちにする。」
「ひっど、何でよ。」
「いや。なんかお前が選んだのにしたら、また近くなりそうだしよ。」
「いいじゃんそれで。」
「よくねぇよ。」
裏をかいてAの指差したくじとは真反対においてある紙をとった。
開けば”19”の文字が書かれている。
黒板の票と照らし合わせると、どうやら教室の窓側一番奥の様だ。
「あっ！！やった一番後ろ！」
嫌な予感がする。
「しかも窓側！！」
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23.4度(プロフ) - BLACKさん» コメントありがとうございます。これからシリアスに突入して二人の間にもまあ色々と起こりますのでぜひぜひよろしくお願いいたします！ (2017年9月24日 21時) (
レス) id: 8c7360ac03 (このIDを非表示/違反報告)
BLACK - ちょっとシリアスめがいいです！とても面白いです！これからも更新楽しみにしてます！ (2017年9月24日 17時) (レス) id: bbfe5e7001 (このIDを非表示/違反報告)
23.4度(プロフ) - 蛍さん» ご感想ありがとうございます！そう言って頂けて嬉しいです...！ぜひ最後までお付き合い下さい (2017年9月21日 17時) (レス) id: d0946bab96 (このIDを非表示/違反報告)
蛍(プロフ) - 見てる間めっちゃニヤニヤしてました！更新頑張って下さい！！ (2017年9月21日 10時) (レス) id: 630924d4f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：23.4度 | 作者ホームページ：http://nanos.jp/aoikasou/
作成日時：2017年9月18日 10時
