逃避 ページ7
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「デートしようよ。」
「えっ。」
「だって私たち、恋人だし。」
「いやでも...それはほら、役っていうか。」
「ゲーセン行きたいなって。」
「あ、それは僕も行きたい、かも。」
「決まり。」
とんとん拍子で乗せられて、ゲームセンターへ来てしまっていた。
受験勉強だとか高校生活だとか、なんだかんだ忙しくて潰す暇すら持ち合わせのない僕は、長い間このざわつく空間に足を踏み入れていなかった気がする。
目の前を歩くAちゃんは僕らとはまるで違う、ごく一般的なデザインの制服で。
他校生と関わるのもそういえば久しぶりだなぁ、なんて考えていた。
「最初何やろっか。」
「無難にクレーンゲームもいいと思うけど。効率的にお金を使うとなると、やっぱりそのとき確実に楽しめる奴の方が、」
「じゃああのくまのぬいぐるみ、どっちがとれるか勝負！」
ぐっと手を引かれて、ゲームセンターの奥へと走ってくAちゃん。
ちゃかり手を繋いでいくところはさすがというか、高校生になってもあの頃と接し方や態度が変わらな過ぎて、少し戸惑うところはある。
(けれどなぜか、ほかのことは違う。異性として意識しているはずなのに、胸が高鳴るあの感情が、湧き上がらない)
デク。
そうやってからかわれる僕を、彼女はあえてデクと呼ぶ。
「デクくん！個性がない、でくのぼう何て言われるデクくんが、どんなに強いか証明してやろうよ！」
ちょっと強気にそう宣言するAちゃんは、多分とっても優しい女の子だった。
個性のない僕を、彼女だけは昔から強いといった。
その根拠は今も昔もわからなかったけれど。
そう言ってもらえるだけで、落ち着ける自分がいたのは事実で。
「ああ！まってデクくんの攻撃容赦ないって....。」
こうしてまた僕の前で、ただの格闘ゲームに一喜一憂するような姿が見れることを、この上なくうれしく思う。
彼女の背負う影が強大であることは、本能的にわかっていた。
五年もの間姿を消して、ふっとあらわれて、さあこれから毎日仲良く一緒だねなんて無理だってことも。
それでも今は、理由は聞かない。
多分それはとても無意味な行為だから。
真実に目を瞑って。
幻影から逃げて。
今はただ、
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23.4度(プロフ) - ましろんぬさん» 他も見てくださったんですか....泣ありがとうございます！ご感想本当に励みになります！ (2017年10月12日 19時) (
レス) id: 8c7360ac03 (このIDを非表示/違反報告)
23.4度(プロフ) - ぼうﾆﾝさん» 遅くなり申し訳ないです！こちらでもコメントありがとうございます...!!ご感想頂き本当に嬉しいです。ついったーの方でもよろしくおねがいします！ (2017年10月12日 19時) (レス) id: 8c7360ac03 (このIDを非表示/違反報告)
ましろんぬ(プロフ) - 素敵なお話ですね。他の作品も好きです。更新頑張ってください。 (2017年10月9日 0時) (レス) id: 1785f6c6df (このIDを非表示/違反報告)
ぼうﾆﾝ(プロフ) - キャラの矢印の方向やストーリーがどすとらいくすぎて感動しました泣 これからも応援しています!! Twitterでイラスト拝見させていただきましたが､小説もクオリティ高くて尊敬しちゃいます~!! (2017年10月5日 21時) (レス) id: 64374fa942 (このIDを非表示/違反報告)
23.4度(プロフ) - お気に入りありがとうございます！更新滞り気味で申し訳ないです...。この後もお付き合いいただければと思います！ (2017年9月30日 17時) (レス) id: 8c7360ac03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：23.4度 | 作者ホームページ：http://nanos.jp/aoikasou/
作成日時：2017年9月7日 20時
