秀才少女140 ページ43
「照れ屋さん見つかったんですねっ！よかった！」
「刻っ！」
息を切らしてたどり着いた。
けれど、決して感動的な再会なんてそんなものではなかった。
「なに言ってんだよっ！！！！
照列屋さん！君は本当にそれでいいのか！なんで、これからも生きることを考えないんだよっ！可能性はゼロじゃないだろ！僕たちも一緒に考えさせてよ！頼ってよ！1人でなんで諦めちゃうんだよ！」
緑谷くんの怒鳴り声。彼が大声を感情のままあげるなど珍しい。
「てめぇのなりてぇもんちゃんとみろ！」
あの冷静沈着な轟くんもその表情は豊かだ。
「っ、
いつも怒鳴り散らして不機嫌そうな顔の爆豪はいつもと変わらず怒鳴っている。今にも泣きそうな顔をしていなければ。
「刻？」
みんなの心配する声怒鳴る声の中にひっそりいたのはその両親の声。
あぁ…
『怖くないよ怖くない
ね？』
鈍くなりつつある頭は機械のようにそのことを教えてくれる。
時間だ。
「ごめん、ごめん、ごめん
でも、もう儚い夢に抱かれながら…逝かせてくれないかな」
啜り泣き、震える声。そして、まるで花のように笑うその顔は散り際の桜のよう。
周りを包む寒さが一箇所に集まる。凍っていたものは移動を開始する。
ああ、終わり…
落ちる身体は止められなくて。
こんな凍った身体は…
落ちたら割れてしまうかな…
…眩しいよ
…ほんと、よく現れるよね
……うんめい…かな？
ねぇ、爆豪
優しく受け止めたのは爆豪だった。
駆け寄ってきたみんなは私に声をかける。
でも、何を言ってるかわからない。鈍くなった頭はそれさえも聞き取れない。
「……忘れない
絶対、何があっても」
ああ…
「 」
パキリとひび割れる手を動かし爆豪の頬に手を伸ばす。落ちそうになる手を離さないよう取る。
しかし、握った瞬間。
手は氷となり砕け散った。
パパ、ママが大好き
みんなが好き
この世界が好き
爆豪、あんたが好き
彼女は健やかに笑い目を閉じた。
パキィイ……
驚愕、動揺、悲鳴。
受け入れがたい事実が世界を包んだ。
ブワッ
彼女だったものが巻き上げられる。
竜巻が起きそこにいた全員が空へと飛ばされた。
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ルッカ - 感動しました！いや〜切ないっ！特に病院で泣き叫ぶシーンが心に深く残ってます。長編お疲れ様でした！ (2018年1月27日 0時) (
レス) id: e083ca4c6c (このIDを非表示/違反報告)
にゃるこ少佐(プロフ) - noirさん» 勿体無いお言葉ありがとうございます！とても嬉しいです。その言葉が次作の励みになります。また、機会があれば読んでくださいね！ (2018年1月8日 11時) (レス) id: 21caca4e2a (このIDを非表示/違反報告)
noir - 凄かったです！感動して、何回も泣きました。『心の叫び』みたいな時とそれを助けるような時が、特に感動しました。 (2018年1月7日 15時) (レス) id: 618fe150e5 (このIDを非表示/違反報告)
にゃるこ少佐(プロフ) - 緋乃さん» そんな、私には勿体無いお言葉ありがとうございます。無事完結することができました。これも影で密かに楽しみにしてくれていた皆さんのおかげです。ほんとうに、ありがとうございました！また機会があれば読んでやってください。 (2018年1月5日 9時) (レス) id: 21caca4e2a (このIDを非表示/違反報告)
緋乃(プロフ) - お疲れ様でした！最後は感動のあまり涙が出てきました…！このような作品を書けるのはとても尊敬します！次の作品お待ちしております！ (2018年1月5日 0時) (レス) id: 30e32a3a6d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にゃるこ少佐 | 作成日時：2017年9月11日 23時
