秀才少女137 ページ40
爆速して山斜面を駆け上がる。
チラリッ
白くてフワフワしたものが行く手を遮った。
雪だ。
あたり一面雪景色。でもそれは違和感に変わる。空は夏の青空。まるで時間を眠らせるように凍りついた木々。
雪だと思っていたものは純粋無垢な氷の粒。頬をかすめるたび傷がつく。
確信した。
照列屋はこの上にいる。
たどり着いた先、真っ白い世界の中にあいつは居た。
「ちっ、
おいっ！くそさむがりっ」
はたりと見上げたあいつの顔は、驚きと寂しさに揺れていた。
その顔を見て怒りが押し寄せてくる。
「おい、自己中野郎。てめぇこんなところで何してんだよ。あいつら心配してんぞ」
気づけばそんなことを口走っていた。
しかし、いつの間にかそらされた瞳。それどころかどこか違うところをてるようだ。
まるでここにいないような……
「………んだよ。…お前、死ぬのか？」
自分でも驚くほど冷たい低い声が出た。
返ってきたのは静かな短い沈黙は肯定と言っても同じような間だった。
「ざけんじゃねぞ！おいっ！！」
ズケズケと近づき腕を掴むと乱暴に引っ張り上げる。
「ほんとっ、自己中心自己満足野郎だなっ！ふざけんなっ、死んだくらいで意気消沈してんじゃっ」
バチン
言葉を遮るように掴まれた手を振りほどかれる。視線が俺へと向けられた。
視線を俺から離させるな。
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ルッカ - 感動しました！いや〜切ないっ！特に病院で泣き叫ぶシーンが心に深く残ってます。長編お疲れ様でした！ (2018年1月27日 0時) (
レス) id: e083ca4c6c (このIDを非表示/違反報告)
にゃるこ少佐(プロフ) - noirさん» 勿体無いお言葉ありがとうございます！とても嬉しいです。その言葉が次作の励みになります。また、機会があれば読んでくださいね！ (2018年1月8日 11時) (レス) id: 21caca4e2a (このIDを非表示/違反報告)
noir - 凄かったです！感動して、何回も泣きました。『心の叫び』みたいな時とそれを助けるような時が、特に感動しました。 (2018年1月7日 15時) (レス) id: 618fe150e5 (このIDを非表示/違反報告)
にゃるこ少佐(プロフ) - 緋乃さん» そんな、私には勿体無いお言葉ありがとうございます。無事完結することができました。これも影で密かに楽しみにしてくれていた皆さんのおかげです。ほんとうに、ありがとうございました！また機会があれば読んでやってください。 (2018年1月5日 9時) (レス) id: 21caca4e2a (このIDを非表示/違反報告)
緋乃(プロフ) - お疲れ様でした！最後は感動のあまり涙が出てきました…！このような作品を書けるのはとても尊敬します！次の作品お待ちしております！ (2018年1月5日 0時) (レス) id: 30e32a3a6d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にゃるこ少佐 | 作成日時：2017年9月11日 23時
