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秀才少女127 ページ30

照列屋さんの叫び声は僕たちの心に鉛のように重くのしかかった。

取り残された子供のように。
目を揺らし涙を流す。
その水滴は床に落ちるとパキッ

「照列屋さん…」

どんなに思いでこの場に立ってるのか…
僕たちは知る由もない。
人形のように真っ白くなってしまった肌、泣き噦る姿が彼女であることにホッとして
でも、それでも迷子の様に泣き縋る照列屋さんの姿は小さくて。
たくさんいろんなものを抱えて、どうすればいいのかわからなくて。

僕たちはただ見ていることしかできなくて。

「刻…?」

目が溢れそうなほど見開いた。

連日テレビでよく見る照列屋さんのお母さん。

「ちがっ

ちが…ぅっ」

その凛とした顔は崩れ、瞳に溜まった涙はこぼれ落ちそうで。

何か勘違いをしていたのかもしれない。
ヒーローに守られているのにそのヒーローを訴えるも同然なことをするなんて、と。

知った気になってたんだ。
ヒーローがそこにいるのが当たり前でヒーローが僕たちの平和を守っていることに。

今の僕ならよくわかる。

目裏に映るのは、母親の心配した顔、思い。

照列屋さんは、1番大事なものを…


ぎゅっ

必死に堪えた涙。キリッと眉を上げ、両手を広げた。

「お願い、だからっ!っ…刻はどこにもいかないって言って!」

映画でよくある母と子の愛のワンシーンを見ている様だった。

場違いだった。

僕たちの想像もつかないところで照列屋さんは罪悪感、劣等感、こころないみんなの声、周りからの期待と失望。
大きなものをせよって戦ってるんだ。

「おい、さむが…

刻」

1つのシーンをぶち壊す様に重低音のかっちゃんの声が静かに響いた。

「ちょっ」
「爆豪さん、今は…」

かっちゃんなにして

「…勝己くん」

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設定タグ:僕のヒーローアカデミア , 爆豪勝己 , ヒロアカ   
作品ジャンル:アニメ
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ルッカ - 感動しました!いや〜切ないっ!特に病院で泣き叫ぶシーンが心に深く残ってます。長編お疲れ様でした! (2018年1月27日 0時) (レス) id: e083ca4c6c (このIDを非表示/違反報告)
にゃるこ少佐(プロフ) - noirさん» 勿体無いお言葉ありがとうございます!とても嬉しいです。その言葉が次作の励みになります。また、機会があれば読んでくださいね! (2018年1月8日 11時) (レス) id: 21caca4e2a (このIDを非表示/違反報告)
noir - 凄かったです!感動して、何回も泣きました。『心の叫び』みたいな時とそれを助けるような時が、特に感動しました。 (2018年1月7日 15時) (レス) id: 618fe150e5 (このIDを非表示/違反報告)
にゃるこ少佐(プロフ) - 緋乃さん» そんな、私には勿体無いお言葉ありがとうございます。無事完結することができました。これも影で密かに楽しみにしてくれていた皆さんのおかげです。ほんとうに、ありがとうございました!また機会があれば読んでやってください。 (2018年1月5日 9時) (レス) id: 21caca4e2a (このIDを非表示/違反報告)
緋乃(プロフ) - お疲れ様でした!最後は感動のあまり涙が出てきました…!このような作品を書けるのはとても尊敬します!次の作品お待ちしております! (2018年1月5日 0時) (レス) id: 30e32a3a6d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:にゃるこ少佐 | 作成日時:2017年9月11日 23時

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