秀才少女110 ページ13
突然転移したのは機械の音と薬品の匂いが漂う異質な部屋。
「やあ、手荒な真似をして悪かったね。照列屋くん」
ゾワッ
顔を見た瞬間。恐怖。
「…っっ」
声をあげることも、息をすることすらままならない。
「君の個性は素晴らしい。まさに今の混沌とした時代を象徴する存在さ」
真っ暗な一室。
「…っ」
視線を部屋の端々に移す。
こんな恐怖、感じようとしなければ感じないっ
カチッ
時間を止める。辺りに漂っていた得体の知れない空気がなくなる。
吸えなかった空気を吸い込むようにぜえぜえと息を吐く。
目的は私たちの勧誘。させることじゃないの？
…冷静になろう。大丈夫、今の私に時間は無限にある。
どこかに出口があるはずだ。
私さえ逃げるだけでもいい。爆豪は馬鹿じゃない。勧誘目的ならすぐにとは殺さない。いや、殺せないはずだ。
真っ暗な部屋に眼を凝らす。パソコンの光だけが部屋を薄暗く照らしていた。
無数の管が取り外され専用のマスクをつけている。
ドアがあるが簡単には出させてくれない。でも、ぶっ壊した後にまた停止させて奴に隙も与えさせず逃げる。
乱暴にドアを蹴り続けダメージを与え続ける。
弱点は多いが、無力だなんてそんな事ない！
いくよっ、刻！
カチッ
ブファンッ
すごい音とともに部屋に振動が走る。煙の上がったその先に向かって私は走る。
ベチッ
え？
傷１つな…ぃ
「気はすんだかい？」
まるでわかっていたかのような口ぶり。
無傷のままの扉。
「じゃあ、本題に移るとしよう」
息の詰まる。
漂う合うような空間に身体は震えた。
その言葉を境にそいつはゆっくりと席を立った。
………っ
「私が君に興味を持ったのは君の待つ個性だ。有益に使える、弔と性に合う個性だ
だから、君の個性を貰おうと思ってね」
そいつが私の目の前に頭を鷲掴みにする。
何かが吸い取られるような。ぞゎぞゎと何かが体を這い抜けていく。
「…やっ…めっ」
ブチンッ
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ルッカ - 感動しました！いや〜切ないっ！特に病院で泣き叫ぶシーンが心に深く残ってます。長編お疲れ様でした！ (2018年1月27日 0時) (
レス) id: e083ca4c6c (このIDを非表示/違反報告)
にゃるこ少佐(プロフ) - noirさん» 勿体無いお言葉ありがとうございます！とても嬉しいです。その言葉が次作の励みになります。また、機会があれば読んでくださいね！ (2018年1月8日 11時) (レス) id: 21caca4e2a (このIDを非表示/違反報告)
noir - 凄かったです！感動して、何回も泣きました。『心の叫び』みたいな時とそれを助けるような時が、特に感動しました。 (2018年1月7日 15時) (レス) id: 618fe150e5 (このIDを非表示/違反報告)
にゃるこ少佐(プロフ) - 緋乃さん» そんな、私には勿体無いお言葉ありがとうございます。無事完結することができました。これも影で密かに楽しみにしてくれていた皆さんのおかげです。ほんとうに、ありがとうございました！また機会があれば読んでやってください。 (2018年1月5日 9時) (レス) id: 21caca4e2a (このIDを非表示/違反報告)
緋乃(プロフ) - お疲れ様でした！最後は感動のあまり涙が出てきました…！このような作品を書けるのはとても尊敬します！次の作品お待ちしております！ (2018年1月5日 0時) (レス) id: 30e32a3a6d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にゃるこ少佐 | 作成日時：2017年9月11日 23時
