秀才少女76 ページ29
目を開けると眩しいくらいの朝陽に少し苛立った。
体にほぼ痛みはない。それどころか自分か寝てるという感覚すらないのだ。
心臓が動く心音だけが、頭の中で鳴り響いていた。
そうあの時の背筋が凍るようなあの時のひと鳴りで。
何かが鮮明に頭の中をかけようとする。
バッ
突然何か底知れない不安に襲われベットから飛び起きる。抜けていく点滴など気にもとめず病室の扉を開けようとする。
「っ！」
「照列屋さん！？」
ぶち当たったのは看護師さんの胸だった。
それから落ちつかされると、目覚めたことの連絡を受けた医者さん、そしてパパとママにも連絡がいったみたいだった。
手には包帯が巻かれている。
「外傷はその手と肩の傷だけだよ。ただ、不思議なのはその穴が塞がらないことだ。まるで、時を止めたように血が流れるわけでもなくかといって塞がるわけでもなく。…君の個性となにか関係があるのかい？」
先生が発した現状を私は頭の中ではっきりと理解してしまった。
「……わかりません」
理解はしたが納得はできない。
頭の中でぐるぐると何か得体の知れない何かが動き回ろうとしてる。
「…でも、おかげで出血多量で大事に至ることはなかったよ」
「………」
「傷のことがあるから定期的に来ることにはなるけど、明日には退院して元の生活に戻れるよ」
「…そう…ですか…」
先生との会話に間が空く。
ああ、
ああ、
ああ、明日…ちょうど期末テストが終わる日。
演習はロボットって聞いたけどみんなが合格したかな。
私も、早く良くなってみんなと林間合宿いきたいな。
「…よかったです。期末テストを終えれば、夏休み。夏休みは林間合宿に行くんですよ」
気付いたら、いつもみたいに笑って先生と会話していた。
それから程なくして、駆けつけやたパパとママに抱きしめられた。
「刻！心配したんだぞっ、もうほんとっ勘弁してくれよ」
パパはいつものおちゃらけた雰囲気など欠片もなく心配しきった顔だった。
「刻！ああ、刻！よかった、目が覚めて。ほんとに心配したのよ」
ママの顔も同様だった。これまでに見たことないくらいママとパパに心配をさせてしまった。
「ごめんね、パパ、ママ。でも、刻は大丈夫だよ」
そう言って、パパとママを抱きしめ返した。
いつも通りで行こう。私はいつも通りだ。
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にゃるこ少佐(プロフ) - 亜種さん» わわっ！お褒めの言葉ありがとうございます！そう言っていただけて感激です！はい！更新頑張ります (2017年8月31日 22時) (
レス) id: ef0665a3f2 (このIDを非表示/違反報告)
亜種 - すごく面白い！ 続きが気になって仕方ないよ！！ オールフォーワンで完結しちゃうの？ できたら、主人公とかの将来のお話が見たいなー。 これからも頑張ってね！！ (2017年8月31日 22時) (レス) id: 24d2cae0cc (このIDを非表示/違反報告)
にゃるこ少佐(プロフ) - 水無月さん» ありがとうございます！更新頑張ります！ (2017年8月10日 20時) (レス) id: ef0665a3f2 (このIDを非表示/違反報告)
水無月(プロフ) - 面白かったです！主人公の心の中がよくわかっていいと思います。これからも更新頑張って下さい！ (2017年8月10日 11時) (レス) id: 39abbf26b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にゃるこ少佐 | 作成日時：2017年8月8日 20時
