素直になれたら【アイナナ】-deuxième

悪夢か否か ページ15

部屋に響く、パンをかじる音
そして部屋の秒針はチィクタクと音を立てる

私の心臓もチィクタクと。


なんだか思ったのと違う、気がする

私が考え過ぎなだけ.......?

"付き合う"

その概念が未だに理解しきれていないのも事実ではあるのだけど。

ーーーー寮side


壮五「行ってらっしゃい」

一織「行ってきます」

環「いってきー」

寮の玄関を出るなり、環は

一織「四葉さんは何をそんなに急いでるんですか？」

環の足は徐々に早まる

早く。



今日は1秒でも早くアンタに
会いたい

あんな夢を見たからだろうか．．．




ーーーAside



A「おはようございます...」

「会長今日はいつもより数分遅いですね、」

生徒会の1つ下の後輩は 身だしなみチェック用の
シャーペンを準備していた。


A「今日は少し朝から体調が悪かっただけですよ」

「．．．最近お疲れですよ?顔が」

A「ごめんなさい、やっぱり今日はあいさつ運動
休んでもいい？」

「いいですよ、保健室の先生はさっきご出勤されていましたよ。後は僕らに任せて下さい」

A「ありがとう」


会長という視点でみるなら、これは間違いなく
職務放棄である


恋人に悩んでいる人なんて、私だけではない
毎日笑顔で投稿してくる皆にも

悩んでいる時間はあるんだから、、

重い足取りで向かう保健室は 少しだけ遠いと感じた。

ーーー万理side.
紡「朝早くからごめんなさい、昨日のロケでお疲れなのに」

万理「大丈夫ですよ、このくらい」

紡「よかったんですか?
Aちゃんに行ってらっしゃいって声をかけなくて」

万理「かけようと思った時には出ていってたんだよね、時間そんなにギリギリだったのかなぁ．．．」


音晴「紡、」

紡「あ、お父さん..おはようございます」

万理「おはようございます、社長！今、コーヒー入れますね」

音晴「このお弁当って、」

手には淡い青色の巾着

万理「それはAさんのです！..彼女急いで出たから忘れて行ったんだと思います」

紡「わ私が届けに!!って..ああ今日は一織さんと陸さんの食べ歩きロケと昼過ぎからナギさんと大和さんのインタビューと三月さんのバラエティ番組の収録があって、、」

万理「俺が届けに行きますよ」

紡「も、申し訳ないです」

万理「ついでに会社のコピー機、壊れたみたいなので、見に行って来ますね」

音晴「じゃあ、万理くんよろしくね、、帰ったら昨日のロケの費用報告と今日の食べ歩きロケの精算をお願いします」

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