素直になれたら【アイナナ】

会長と環 ページ17

一織｢…文化祭、、｣
そういえば 前もどこかの高校の文化祭に出たような


ーーーその頃、放送室に向かった環は

校内放送｢最後の曲は mezzoで｢恋のかけら｣です｣

放送を終えた会長が 放送室からゆっくり歩いてくるのが見えた


環｢かいちょーさん｣

会長｢…！！｣

会長の顔は驚きより、恐怖で顔が引きつっているようにも見えた

環｢あの…(会長｢すみません…まだお昼ご飯食べてないので、失礼します｣｣

早足にその場を立ち去ろうとする会長を環は素早く
腕を掴んだ


会長｢っ！？、、｣

環｢なんで逃げんだよ｣

会長｢、、｣
会長は黙って目をふせる


環｢、、ごめん…｣
無理矢理だったなと反省した環は
ゆっくり掴んでいた腕を離した


会長は逃げずにそこにいる

環｢あ、あのさ…(会長｢あなた…私のこと知ってるんですか｣｣


環｢え、、｣

目線は下のたまだったけど 初めて彼女は口を利いてくれた

｢…しらない 、、
けど…｣

会長｢けど…？｣

環｢昔、施設に来て 俺のこと励ましてくれたヤツに似てるなぁ…って、、｣

会長｢施設…？｣


環｢あ、でも…おれも小さかったから
あんま覚えてねーけど、なんとなく…その、、｣

会長｢…人違いだと思いますよ、、｣


環｢、、名前、｣

会長｢え、、｣

環｢名前教えてよ、俺は 四葉 環｣

会長｢……たかな｣
蚊の鳴くような声で答える

環｢え？なんて、、｣
もう一度聞こうとした時
廊下の遠くの方で一織の声が聞こえた

一織｢四葉さん！何やってるんですか、チャイム鳴りますよ｣

会長は何事もなかったかのように、
会長｢、、それでは、四葉さん、これ以上私に近づかないで下さいね、｣

会長は 環に近づく一織を横切り足早に
階段の方へ向かって行く

環｢、、かいちょーさん！！！四葉さんじゃなくて…環でいい！！！｣


会長は大きな声に少し驚いた顔で振り返った
少し恥ずかしそうに ゆっくり縦にうなづいて階段に消えた


一織｢…会長とはどういう関係ですか｣

環｢、、いおりんごめん、オレの勘違い｣

一織｢…そう、ですか｣

環の見つめる先は 階段の方へあった

一織はその横顔を見つめ、少し不安に思っていた

ーーーー夕方
三月｢大和さん、良かったな早く終わって｣

大和｢まぁ…お兄さんいつも通りやっただけなんですけど｣

CM撮影や雑誌のインタビュー、ドラマ撮影を
終えた

三月と大和とナギと陸と壮五は、次の仕事場の楽屋で
環と一織を待っていた


陸｢一織遅いなぁ〜｣

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