月夜に眠る双子の秘密

不審な行動と残る疑問 ページ37

まあ、ジークンドーで何人か倒したけどね。

そう考えていた矢先、曲がり角に３人の人影がっ！

思わず身構えて、倒そうか、逃げようか考えながら、後退りした。


けれど、３人は私になんか、目もくれず、角の部屋に入ってしまった。

それで、少し拍子抜けしてしまった。

なんか、無駄に構えただけだった・・・。



けど、そう思ったのもつかの間。

やつらが部屋に入ってから、十数秒しかたってないのに、いきなり、ドアの開く音がした。



え、まずいっ！見つかるっ！



私は今、角の所の壁から顔を出していて、こっち側を見られたら、顔がバッチリ見える状態。

けど、とっさに動くことも出来なくて、私は開く扉をスローモーションで見ているようだった。


けれど、いくらスローモーションに見えていても、時間は過ぎていって、ドアはやがて開いた。



ああ、せっかくお兄ちゃんが出してくれたのにっ！

来るなっ、どうかこっちも向かないでっ！



そんな願いもむなしく、３人の１人がぐるっと辺りを見回したんだ。

見つかるっ・・・！





私は、これから来る怒声に備えた。

けれど、その一人は、明らかに私の方を見ているのに、他の二人に伝えようとしないんだ。

視線がパチッとあって、私は思わずそらしたけど、向こうも同じタイミングでそらした。



はて・・・



私の頭のなかは、？、？、？で埋め尽くされていた。

私を見つけたのに、なんで言わないんだろう・・・


すると、やがて別の二人が、話し始めたんだ。





「つい最近、peccatore様が、月夜に眠る双子のために、この部屋作ったんだってよ」

「ああ、監視カメラも無いらしいな」

「まあ、全身の血を取り出す作業すんだから、かなりヤバいよなぁ・・・」



そんな会話に私は耳を傾けていた。

待って、私今、かなり良い情報聞いた気がする・・・

監視カメラが無いって、すごく助かるっ！



「にしても、わざわざ見回りも面倒だよなぁ」

「まあ、今日はもう行ったから、明日まで行かなくていいじゃねえかよ」


よしっ！

今日はもう見回りは来ないっ！！


私は、心のなかでガッツポーズをした。

ん、なんか上手く行きそうっ！


そして、男の人３人組はやがて立ち去った。

そのときに、またあの人と目があった気がしたけど、向こうは特に何も反応しなかったから、気のせいだと思っておいた。




でも、さっきのはなんだったんだろうなぁ・・・



そんな疑問を残しながら、私はあの部屋へ向かった。

ボスの名前は”罪人”の組織→←お兄ちゃんの策に従うだけ

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