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相手の足手まといは辛い ページ29

今、私の目の前には目を丸くさせている上杉君


そして、私はつい10秒前にさっきのセリフを伝えたばかり




”『上杉君・・・



別れよっか・・・』”





これを伝えた私の顔は、とてもひどいと思う

うつむいて、顔を上げる事も出来ない

今、上杉君に顔を見られたら、多分わかってしまうと思う



泣きそうになっているのが



そして、上杉君は少しかすれた声で、私に話しかけた


「別れようって・・・何でだよ」




上杉君の迷惑になるから

そう言ってしまえたら、楽だったと思う


でもそうすると、上杉君のお母さんの事も話さなきゃならないし、何より、上杉君のせいみたいになるのが嫌だった



それで、私は必死で頭を巡らせて言い訳を考えた

そのせいで、変な間が空いてしまったんだ

上杉君の眉がひそまったのが見えた



それで、慌てて答えたんだ



「・・・ママに反対されたんだ・・・」

「は?立花の?」



私はコクンと頷く

けど、もちろんこれは嘘

ママにはこのことを話してないし、もちろん反対もされてない


そして私は、ママのせいにしないために、相変わらずうつむいたままで、言葉を続けた





「私、最近また成績が下がったんだ。それも上杉君と付き合ってから。
上杉君と付き合ったことで時間が取られて、成績が下がったんじゃないか、って言われたんだ」




これも、全部、嘘

むしろ、上杉君と付き合い出してから少しずつ成績も上がりつつあった

数学も教えてもらえたしね



「じゃあ、立花は成績を上げるために俺と別れたいって事かよ」



私はもう一度コクンと頷いた

もう、声を出したら泣いてしまいそうだった



「じゃあ、成績が戻ったらまた付き合ったりすることはあるのかよ」



私はううん、と首を横に振った

上杉君も、自分でいったい何を言っているのかもはやわかっていない様子だった




「別に数学なら俺が教えるし、他の教科も教えられるように…「上杉君・・・!」




私は思わず、声をあげてしまった

瞬間、私の瞳からは涙が溢れて、上杉君は押し黙った


そして私は、心の中で、「ほら」と思った


上杉君は、やっぱり私のために無理してしまう

自分の趣味の時間や、他の人との時間さえ削ってしまうんだ

そんなのって・・・悪いし





「・・・お別れだよ、上杉君」



今度こそ、私はちゃんと瞳を見て伝えた

上杉君はもうそれ以上言わなかった


そして私は自分の行動は正しかったと必死で言い聞かせていた

後悔するときは、もう遅い→←2人の未来の障害



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彩快(プロフ) - 続編出しました! ぜひ見てください! (2020年2月25日 21時) (レス) id: 05e0908cfe (このIDを非表示/違反報告)
彩快(プロフ) - 桃菜さん» ありがとうございます! 紺青の拳とか書けるか不安でしかないけど・・・ 少しでも面白いと思っていただけたら嬉しいです! (2020年2月5日 17時) (レス) id: 2b3d14f3b4 (このIDを非表示/違反報告)
桃菜 - 続編マジですか?楽しみすぎますッ!! (2020年2月3日 19時) (レス) id: 1a2242fc2c (このIDを非表示/違反報告)
彩快(プロフ) - 瀬天心葉さん» ありがと! がんばるー! (2020年2月2日 17時) (レス) id: 2b3d14f3b4 (このIDを非表示/違反報告)
瀬天心葉(プロフ) - 彩快さん» おお!覚えててくれた(・・;)月とか星とかいいよね♪まじで楽しみにしてる!!(=゚ω゚=)がんばれー!! (2020年2月2日 17時) (レス) id: 7f9bbdec25 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:彩快 | 作成日時:2019年10月9日 7時

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