検索窓
今日:3 hit、昨日:6 hit、合計:55,505 hit

惹かれてても、心はいつでも ページ48

私達は公園につき、そのままベンチに座った
そして辺り静寂が広がる
いつもより一時間位早く帰れたとは言え、もう夜と呼ばれる時間帯だから、公園に人はいなかった

それに今日は、雨でも降りそうな位どんよりした空だから散歩をする人も少ないらしい
その中でポツンと座ったけど、やがて上杉君が口を開いた


「秀明で俺の噂聞いた?」


そんな質問をされるとは思ってなかったので少し戸惑ったけど頷いた


「どんなやつ?」


それで私はまごついてしまった
私の聞いた事が真実かわからないのに、言っていいのか困ったんだ
少なくとも上杉君にとって良い噂とは言えないし

でも上杉君の目は私の答えを期待していた

だから意を決して言ったんだ


「上杉君が、女の先生と付き合っていて、その先生が、亡くなったって言う、噂」


私が言うと上杉君はギュッと眉を寄せ、その姿は、まるで苦しみに耐えるように見えた

やっぱり悲しいのかな、好きな人が亡くなって
そう思ったけどすぐにハッとした

上杉君がその人の事好きっていう事も噂だった
もしかしたら、本当は根も葉もない嘘かも知れないって思ったんだ

多分そうだったら良いな、とも考えてたんだと思う

上杉君に好きな人が居て傷ついたから、もし居なかったらってて思ってしまった

それで上杉君に聞いてみたんだ


「あの、その先生の事好きだった?」

「…ああ、かなり惹かれてた」


瞬間、私の胸はズキンと痛んだ
本人から聞いて泣きそうなくらい悲しかったんだ

でも上杉君は言葉を続けた


「だから、彼奴が死んだ時俺かなり落ち込んで閉じ籠ってたんだぜ。
でも黒木がコンタクトとって、一応出てこれた」


そうだったんだ
けど、そう告げた上杉君の表情はさっきより少しだけ明るかった


「そんときに、黒木が立花の事話したんだよ。立花が俺に相談してきたって」


それで私はハッとした
上杉君に付き合ってる人が居るって聞いて落ち込んでたら黒木君が心配してくれたんだ

頻繁に電話もしてくれたりしたんだ


「俺、その事聞いてすげえ嫉妬した。何で黒木に相談なんかするんだよって。そん時俺、気が付いた

俺、彼奴に惹かれてても、今でも立花が好きだったんだ
立花、俺と、もう一度付き合ってくれ」


瞬間、私は目の前の光景が一気に広がる気がした
上杉君が私の事好きだって言ってくれた事も嬉しかったし

でもすぐにハッとした

私が付き合ってたら、上杉君の為にならないって事を
上杉君のお母さんにそう言われたんだもの

fastkissはレモングラス→←一難去ってもすぐにまた一難



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (38 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
47人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

彩快(プロフ) - 続編出しました! ぜひ見てください! (2020年2月25日 21時) (レス) id: 05e0908cfe (このIDを非表示/違反報告)
彩快(プロフ) - 桃菜さん» ありがとうございます! 紺青の拳とか書けるか不安でしかないけど・・・ 少しでも面白いと思っていただけたら嬉しいです! (2020年2月5日 17時) (レス) id: 2b3d14f3b4 (このIDを非表示/違反報告)
桃菜 - 続編マジですか?楽しみすぎますッ!! (2020年2月3日 19時) (レス) id: 1a2242fc2c (このIDを非表示/違反報告)
彩快(プロフ) - 瀬天心葉さん» ありがと! がんばるー! (2020年2月2日 17時) (レス) id: 2b3d14f3b4 (このIDを非表示/違反報告)
瀬天心葉(プロフ) - 彩快さん» おお!覚えててくれた(・・;)月とか星とかいいよね♪まじで楽しみにしてる!!(=゚ω゚=)がんばれー!! (2020年2月2日 17時) (レス) id: 7f9bbdec25 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:彩快 | 作成日時:2019年10月9日 7時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。