経験のない絶望とは ページ40
・・・え?
今・・・確かに聞こえたよね、お兄ちゃんの声が。
私を刺そうとしていた、peccatoreは、やはり今聞こえた声に止まって、ナイフは寸前で止まっている。
少し動いただけで、危ないこの状況で、さらに声は響いた。
「今宵、月灯りの下、お目にかかりましょう・・・」
瞬間、バリーンっと辺りにけたたましいガラスの割れる音っ!
慌てて振り向けば、さっきまであった窓が割れていた。
それで、綺麗な満月が窓に遮られることなく、灯りがまっすぐさしていた。
もしかしてこれが・・・!
私がふっとひらめいた瞬間、答え合わせをするかのように、窓枠に煙幕が広がったんだ。
そして私の後ろでpeccatoreが、
「なっ・・・」とつぶやいている。
すると、やがて煙幕は充満していって、私たちのもとまで届いた。
それで、私も向こうも視界が遮られ、ナイフから少し距離を置くことができたんだ。
ん、お兄ちゃんに感謝。
ナイフから逃れることが出来て、少し安心していると、それにつれて煙も薄くなってくる。
すると、煙で満たされていた、窓に人影が写ったんだ。
それは・・・純白の衣装を身にまとった、怪盗キッド、もといお兄ちゃんだった。
結局来るのね・・・怪盗キッド。
まあ、でも素顔で来たらまずいもんね、キッドで来るのもまずいけど。
「今宵、囚われし乙女を救い出すべく、参上いたしました・・・怪盗キッドです・・・」
って、なんだか、無駄にキザな言い回しだなぁ・・・
キッドの顔は、ドヤっとしていて、自信たっぷりって感じ。
それで、チラッとpeccatoreの方を見てみたんだ。
一瞬、すごく驚いていて、口を開けていたけれど、すぐにフッと余裕の笑みを浮かべた。
え、なに・・・!?
「これで、双子が揃ったな。待っていたぞ。
黒羽快斗」
は!?
私はpeccatoreの口から飛び出した言葉に、あっけらかんとした。
maleって・・・キッドの正体も知っているの!?
「せっかく双子が揃ったんだ。
お互いの死に様を見られるようにしてやろうじゃないか・・・」
すると、その言葉を合図のように、ぞろぞろと銃を持った男の人達が入ってきた。
「さあ・・・!今度こそ、maleのために・・・」
バンッ!という音が2回聞こえ、確実に私の肺を撃ち抜いた。
見れば、お兄ちゃんの白い服もお腹の辺りが赤く染まっている。
死んだことはなかったけど、ここで死ぬという絶望は私にも理解できた。
絶望・・・からの絶望→←IT'S…!! ILLUSION!!!
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彩快(プロフ) - 続編出しました! ぜひ見てください! (2020年2月25日 21時) (レス) id: 05e0908cfe (このIDを非表示/違反報告)
彩快(プロフ) - 桃菜さん» ありがとうございます! 紺青の拳とか書けるか不安でしかないけど・・・ 少しでも面白いと思っていただけたら嬉しいです! (2020年2月5日 17時) (レス) id: 2b3d14f3b4 (このIDを非表示/違反報告)
桃菜 - 続編マジですか?楽しみすぎますッ!! (2020年2月3日 19時) (レス) id: 1a2242fc2c (このIDを非表示/違反報告)
彩快(プロフ) - 瀬天心葉さん» ありがと! がんばるー! (2020年2月2日 17時) (レス) id: 2b3d14f3b4 (このIDを非表示/違反報告)
瀬天心葉(プロフ) - 彩快さん» おお!覚えててくれた(・・;)月とか星とかいいよね♪まじで楽しみにしてる!!(=゚ω゚=)がんばれー!! (2020年2月2日 17時) (レス) id: 7f9bbdec25 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:彩快 | 作成日時:2019年10月9日 7時