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fk『、何してんだよ、翔太!』
止まっていた体を無理やり動かして、とりあえず彼と翔大を離そうと俺は翔太の腕を掴んだ
力強いと思っていたその手は俺が掴んだ瞬間、簡単に外れた
fk『大丈夫か?』
『は、はい…』
咄嗟に安否を確認すると、落とされかけた彼は震えた声で答えた
ほっとしている彼とは反対に、翔太は顔を歪め悔しそうにスボンをぐしゃっと握っていた
翔太にも事情を聞こうと口を開くと、
nb『お前も、…そっち側なのかよ』
翔太の上ずった声に遮られた
その目からは涙が溢れていて、慌てて拭こうとしたら翔太に手をはらわれた
翔太の目は鋭く威嚇をしているみたいで、いつもみたいな優しさはなかった
その変わりように、俺の思考はショートした
俺は何も言えなくて、動けなくて、唯一覚えているのは翔太の去り際の言葉だけ
nb『…もういいよ、』
拒絶され、突き放された
翔太からのそんな態度は初めてで、どんな気持ちになったらいいのか、どんな顔をしたらいいのかさえ分からなくなった
ようやく動けるようになったときには、もう俺の店は閉店時間だった
翔太は落とされかけた彼だけでなく、周りの客やホスト全員から“ショー”と名付けられたイジメを受けていたらしい
内容は聞くに絶えないものばかりだった
…そう、完全に俺のせい
ちゃんと対策をとらず、甘く考えていたから
別の部屋にいてイジメを止められなかったから
何より翔太の味方をしてあげられなかったから
孤独を感じさせてしまったから
本当は分かってたよ
翔太が悪くないことなんて
あの人が良い翔太が何にもないのにそんなことするはずないって分かってた
あの時翔太の腕を掴んだのだって、翔太に悪いことなんてしてほしくなかったからだし
大丈夫か彼に聞いてしまったけど、本当は翔太のことが一番心配だったし
…だなんて、遅いか
それから一年間、翔太は来なかった
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名無し71262号(プロフ) - 更新待ってます! (9月14日 12時) (レス) id: 2ea78d0701 (このIDを非表示/違反報告)
♪ - 今日初めで読んで一気読みしちゃいました。とても面白かったです。更新待ってますヽ(;▽;)ノ (7月22日 20時) (レス) @page43 id: 3eda66f144 (このIDを非表示/違反報告)
くられ - すんごく物語の構成がよくって、、、更新待ってます、、!! (5月4日 23時) (レス) id: 4b2d7ef051 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 今日見つけて1日で読みました!おもしろくて読み応えがありました!感情移入しすぎて所々泣くところもあったぐらいすごかったです。更新楽しみにしてます! (2023年1月22日 22時) (レス) @page43 id: 7ebd2c8318 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな - この間見つけて、楽しく読んでます!楽しみにしてますね!ダテの登場とかも楽しみにしてます^^ (2023年1月11日 16時) (レス) @page43 id: 9127acbd54 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Spark | 作者ホームページ:http://keyaki
作成日時:2021年9月23日 17時