Maybe sweet 3 【dtnb】

ホストとホストとその友人と ページ2

・

深澤.side

・



fk「…え、今なんて？」





nb「は？だから、今から飲み行くかって話だよ」








…ヤバい、この衝撃に俺の思考回路が追いつけていない

あの渡辺翔太が、自分から誘わないことで有名なあの渡辺翔太が、俺を誘ってる…だと…




fk「…もしや疲労による幻聴？」


nb「幻聴じゃねえわ、てかさっきから失礼だろ」




俺の頭の制御システムが一時停止してたため、考えてることが全部口に出てたらしい
危ない危ない…



でも、そうなるのもわかって欲しい


翔太が自ら誘ってくることなんて今まで一度たりともなかったし、最近なんか誘っても来ないことが多い

そんな翔太が帰り際に荷物を持って、そういえば、と振り返り挨拶をするかのように誘ってきたのだ


そりゃ、あれ俺がおかしいのか？って思っちゃうよ！





nb「あーはいはい、そこまで行きたくねえならいいわ
誘った俺が馬鹿だったってことだな、じゃ、」


fk「ちょちょちょストップ！！行かないなんて一言も言ってないから！」




拗ねてしまったのか強がるように立ち去ろうとした翔太の腕を引っ張り、なんとか引き止める


ちょっとおふざけが過ぎたよね、うん。
深澤反省します。してますから行かないで！





nb「じゃあ来んの？」


fk「当たり前だわ！行くわ！」


nb「ならそう早く言え」





行くぞーと先に部屋を出た翔太を、慌てて自分の荷物を持って追いかける



あのな、深澤さんは普通こんな慌てねえんだぞ
置いてかれれば、まー行かなくてもいっか、ってなっちゃうタイプだし(疲れちゃうから)

急に誘ってくるのは明らかに怪しいし、きっと照関連の話を持ち出されるだろうということも分かってる




それでも、俺は翔太の後ろを走って追いかけた



だって、あんなゲッソリしてたあいつが今あんな子供みたいな表情して、酒を自ら飲もうとしてんだぞ？


愚痴でも説教でもなんでもいい

お前の元気な姿、久々に見たいんだよ




てっきり店の外に出るかと思ったら、出口とは真反対へ行く


となると、もう飲む場所といったら1つしかない






俺は翔太のあとを追いかけて【CLOSE】と書いてある看板がぶら下がった扉を開け、もう目黒が帰ったあとの本当の真夜中のバーに入った



・

・→←今後の注意事項

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す