Maybe sweet 【dtnb】

キズだらけなのは、 ページ33

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止血を終えて、包帯を丁寧に巻く



改めて手に触れると、自分の手よりもゴツゴツしているのが分かる

骨が太く男らしい手という意味ではなく、脂肪がなく細い骨が浮き出ているということ


まあ、それを指摘したらウザがられるだろうから言わないけど





dt「痛くない？」

nb「ん」


dt「じゃあ、大丈夫だね」


nb「……ん、」




はいはい、分かってるよ

『ありがとう』でしょ






dt「他に怪我してるとこない？」



nb「……ないと思う」





あ、これ怪我してるな

不自然な間、少しそれた目線がそれを語っていた


普通だったら気づくはずもないだろう

幼なじみの勘、というのがこういうときだけ働くのかもしれない






じっと観察してると、右腕に血が滲んでるのが分かった


…そこか






dt「右腕、見せて」


nb「……嫌だ」



dt「怪我してるでしょ、見せて」


nb「いやっ！」





いつもの俺なら、拒否されたここで引くだろう

……でも、何かがおかしい



突然の売上不調

不自然なスイーツの爆買い

病院へ行くことへの大袈裟なほどの拒否

左利きの翔太が見せたがらない右腕の怪我



もしかしたらと思い、強く拒否する翔太の腕を引き服の袖をぐっとめくった








dt「……これ、」





腕にある小さなガラスの傷は、俺の目に入らなかった


手首にあった細かい線が何度も重なったような大量の傷痕に目をとられてしまって

古いものから、新しいものまである







nb「……だから、見せたくなかったのに」





ポツリと呟いた翔太




病院に行きたがらないのはこの傷を見せるのが嫌だから

右腕を見せたがらないのは左利きの翔太が右腕に傷をつけるからだ





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