・ ページ19
・
dt「しょ、」
nb「なんで来たんだよ、……早く帰れよ」
…彼のなかで何かあったとは分かった
言い方とか、目線とかが、何となく不自然だったから
でも、俺にはなにもできない
それがもどかしくて、たまらない
昔だったらすぐにでも助けられたのに
所詮幼なじみもどきだな、と悔しいけれど感じた
dt「これ、渡したくて」
nb「……お菓子？」
翔太の前に出したのは、ラッピングした焼き菓子セット
こんな場所には到底似合わないような可愛らしいお菓子
dt「洋菓子店やってるから、これお詫びにと思って
この前のと、今までの」
罪悪感からか、あまり本人の顔は見られない
……これですべてを償いきれるとは思ってないけど、少しでも謝罪の気持ちを伝えたくて
dt「お節介なこといっぱい言っちゃったし、迷惑もいっぱいかけちゃったと思うから
本当にごめ、」
nb「分かったから！……もういいから帰れよ」
我慢ならない、と言うように俺の言葉を遮ってそう言った翔太
…しょうがないか
こんな皆がいるところで、急に謝罪なんてされたらそりゃあ嫌だよね
最後まで聞いてもらうこともできないのか、という悲しさは自分のなかで無理やり押さえつけた
dt「…うん、分かった
じゃあこのお菓子だけ置いてくね」
nb「いらない」
dt「……え？」
nb「いらないから、これも持って帰ってよ」
渡そうとしたお菓子を受け取りもせずに、つっぱねた
……そんなこと、ある？
nb『涼太が作ったお菓子！？
絶対食べる！うまいに決まってるもん！
……うわっ、やっぱりうまーい！！』
あんなに喜んで食べてた翔太が、拒否するなんて
いらないって、そんな冷たい声で言うなんて
……信じたくなかった
dt「…貰うだけでも貰ってよ、せっかく焼いてきたし
なんなら捨ててもいいから、とりあえず」
nb「……いらないの、いらないっ！！」
そう言って振り払った手は、運悪くお菓子に当たった
そしてカランっと音を鳴らし、地面に落ちた
……また、拒否された
せめてお菓子くらいは受け取ってくれると思ったのに
それで少しだけでも本心から笑ってほしかったのに
dt「……ごめん、」
なんと言ったら分からず、とりあえず謝っておいた
しゃがんでお菓子を拾い立ち上がると、そこから翔太は消えた
目を離してる隙に逃げたのか
……また、失敗
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1696人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Spark - cocoさん» コメントありがとうございます。そう言ってくださるととても嬉しいです。早くあげられるよう頑張りますので、こちらこそこれからもこの小説をよろしくお願いします (2021年2月1日 23時) (
レス) id: cbb845e2c4 (このIDを非表示/違反報告)
coco(プロフ) - お話楽しませて頂いております！これからも宜しくお願い致します！ (2021年2月1日 7時) (レス) id: 43bf9966f7 (このIDを非表示/違反報告)
Spark - mgrwtnbさん» コメントありがとうございます。いつも更新遅くてすみません…早くあげられるよう頑張りますので、これからもこの小説をよろしくお願いします (2021年1月21日 23時) (レス) id: cbb845e2c4 (このIDを非表示/違反報告)
mgrwtnb(プロフ) - 続き待ってます！ (2021年1月21日 2時) (レス) id: 1e6ed00ec9 (このIDを非表示/違反報告)
Spark - サンリオさん» コメントありがとうございます。更新は遅いと思いますが、これからもこの小説をよろしくお願いします (2020年12月31日 23時) (レス) id: cbb845e2c4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Spark | 作者ホームページ：http://keyaki
作成日時：2020年12月28日 1時
