いろいろ魔法【ＱＫ＊短編集】 (ページ15)

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Subject９　糖分過多　ymmt ページ15

キスを落とすと、ふにゃりと笑う霞ちゃん

　

　

それを見て俺も、はにかんでしまう訳で

　

「うへへへ」

「ちょ、そんな笑い方やめてよ」

　

霞ちゃんは俺の頬を軽くたたく

俺はその手をすっと取って手の甲にもキスを落とす

　

　

　
　
「何で今日そんな積極的.........」

「え、あ、ごめん・・・・・」

　

　
　
彼女の表情が曇ったのを見て、やっと「あ、やりすぎた」と後悔する

　

　
　
　

最近珍しく、徹夜が続いている

それが今日やっとやるべきことが全て終わって、徹夜回避になった

　

今日中にやらないといけないことが最近時間内に終わらなくて、どんどんスケジュールが狂って、睡眠時間に入っていく

それでどんどん最近の睡眠時間は削れていっていた

　

　

睡眠時間を削られるだけでなく、娯楽の時間も、スマホを見る時間でさえ

それに、彼女に甘えたり、会う時間だって無論ないわけで

　
　

　
その所為で今、溜まった分を霞ちゃんに過剰に甘えることによって消費している

　
　

　

「ごめん～、徹夜続いてて疲れてて....霞ちゃん甘いもの食べに行こうよ～奢るからさあ...」

　

　
　
霞ちゃんは短く「気分じゃないのでいいです」と言うと、俺の方に向き直る

　

　
　

　
　

「ええ、でも、俺本当に糖分取ってなくて....死にそう....」

「あああもうわかりましたっ」

　
　
　

何を吹っ切れたのか、霞ちゃんが俺を真っ直ぐと見つめる

何だろう、何が始まるんだろう

　
　
鋭い眼線に心なしか鳥肌が立つ

　

　
　
　
「が、頑張ってするんで、元気出してください」

　
　

　
　

　

　
うん？と首を傾げる前に、霞ちゃんの両手が頬に添えられる

そして一気に近づく距離は、やがてゼロになって

　
　

　
　
　
　
　
　
　
　
　

　
　
　
　
　
　
　
　

唇に、柔らかい感触

　

　

　
　
　

「..........元気出ましたか」

　
　
　

真っ赤な顔で言う霞ちゃん

それはそれはもう、可愛すぎて、甘すぎて

　
　

　
　
　

「...........虫歯になりそう」

　
「はぁあ？！」

「今から五徹できそう」

「もうこんなことしません！」
　
　

　
　
　

　
やっぱり糖分補給は、適度にしないといけないらしかった
　

　
　

　
　