喧嘩するほど仲が良いって訳じゃない 【ＱＫ】

３０％　頑張る以外ない ページ30

　
　
　
　
　

　
　
　





　


　
　
　
　
　
　




　


実際どうにかしたいなんて言ったって、どうにかなるもんじゃないけど

どうにかなる時の方が少ないんだけれど



　
　
　




それでも私は言葉にして吐き出して、どうにか戻ることを祈っているんだと思う








　
　

そう祈ってしまうのは、何回目の事だろうか








　
　

　
　
　
　




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「えー、っと、あれ...？」







　
　

　
　

　

多分今山本さんの頭には「話と違う」って言葉が並んでいるんだと思う

　



ライター集会が始まる五時間前に「撮影ネタを考えたい」という建前でオフィスに飛んできた私を山本さんは困った眼で見ると「あれ？」と露骨に呟いた






　

「ライター集会...六時からじゃ.......」


　

「そうですよ、六時からです」




「じゃぁなんで....いま十一時半くらいだけど.....」



　
　
　

　
　
山本さんの表情が益々困っていく

ごめんなさい、先輩、けど私は嫌だったんです









　
　
　
　
　
　
　
　
　
　


そうやって策に動かされて、一生戻らないっていうのは








　

　
　
　
　
　
　
　
　

　
　
　
　
　
　
　

　
オフィスには山本さんのほかに、河村さんと、珍しく乾さんが何やら作業していた

伊沢さんと福良さんはグッズの打ち合わせに行っているらしい






　


　

　
皆作業して静かなオフィスを背にして、山本さんが「何しに？何か提出でも？」と笑顔を取り繕って言う







　
「違います」






　
　

　
　

頑張れ、私

言うんだ、ちゃんと、ちゃんと言うんだ









　
　

　
　
　

　
　
「そうなんだ.......？じゃぁ僕は撮影部屋のセッティングがあるから――――――――――――」



「..あの、山本先輩..........！」






　

　
　
　
　


　

行きかけた山本先輩の腕を咄嗟に掴む

いつもなら考えられない行動を一瞬のうちにしてしまった、決意とは怖いものだ


　
　
　
　
　
　
　
　
　


　

「えっと......？」


「仲直り、しませんか」





　
　
　
　

　

　
仲直り？と言葉を反芻する


もっと他に良い表現があったと思う、けど今頭の中に浮かんだのはそれだけだった


　
　

　
　
　

　
　
　
　
　
　
　
　
　
　

　
　

それが一番、適している気もした






　
　
　
　
　
　
　
　
　



　
　


　
　
　
　
　

　
　

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