今日:5 hit、昨日:20 hit、合計:12,552 hit
小｜中｜大
・ ページ23
トントンは私といるといつも苦しそうだった。それなのに私を見放すこともせず、優しさを分け与えてくれるのだ。
ああ、この優しい人の前から、早く消えなければ。
「トントンってさ、いっつもチャーシューくれるよね」
「は……？」
「でも私はメンマしか返せない。私がいなくなるのは、チャーシューのお返しになる？」
はやく、早く私にとどめを刺してくれ。私なんていらないのだと言ってくれ。そしたら、きっと潔く死ねるはずだから。
「……俺は、ずっとお前が好きやったけどな」
言葉の意味を聞く前に、トントンが私から睡眠薬のシートを奪い取った。頭痛を堪えるような表情をしていた。
「死んだら、もう死ぬなよ」
トントンにもたれかかって映画を見ているうちに眠気がそっと忍び寄る。微睡の向こうで、おやすみと聞こえた。それが映画の音声なのかトントンの声なのかはもう判別がつかなかった。
＊
目が覚める。ひどい吐き気と割れそうなくらいの頭痛。隣を見れば、冷たくなった彼女。
「……クソ」
続く
お気に入り登録で更新チェックしよう!
最終更新日から一ヶ月以上経過しています
作品の状態報告にご協力下さい
更新停止している| 完結している
←・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 163人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はにゃ(プロフ) - 切ねぇ!めっちゃ好き!(語彙消失) (7月31日 19時) (
レス) id: 26eb3cf61d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：脳内お花畑、凄惨ペロ、研修生 | 作成日時：2023年6月30日 17時
