桃色空間２

裏の顔３ ページ4

濱ちゃんはそう言うと、俺の顎をクイッと持ち上げて自分の唇を俺の唇に押し当てる。

「んっ、んむっ…ふぁ、っぁ…」

いつもの優しい濱ちゃんならソフトなキスしかせぇへんのに、今日はすごく深いキスをした。

思わず声が出てしまうほど。

ここ、壁薄いねん。隣の部屋とかに聞こえてしもたらどうしよ…

そんな心配も束の間、濱ちゃんのキスはまだ終わらない。
俺の酸素を求めての吐息と、ぴちゃぴちゃと舌を絡める音だけがこの二人しかいない静かな部屋に響いて何だか恥ずかしい。

どれくらいの時間、キスをしていたのか。
さすがに息も苦しくなってきて、限界な俺は濱ちゃんの胸ら辺を思いっきり叩いた。

濱「いっ、痛いて！」

「ん、はぁっ……」

俺の力に痛がる濱ちゃんの手がやっと俺の肩と顎を離し、唇と唇も離れてやっとちゃんとした呼吸ができる。
良かった、いつもの濱ちゃんに戻った…

「はま、ちゃ…ど、したんっ？」


息も絶え絶えなまま、濱ちゃんに質問を投げかける。
だって、いつも大人で俺のことなんかあまり気にしていない濱ちゃんがこんな家でもないホテルの部屋でもないところで深いキスをするなんて思えへん。


濱「だって望と照史がイチャついとったから…」

「いっ、イチャイチャなんかしとらん！」

濱「キス寸前やったやん！」


「それ、は…たまたま顔が近くなっちゃっただけやん…」


濱「それでも、あかんねん！」

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