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episode 40 ページ9
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結論から言うとただの風邪だった。
ただ喉にも炎症が起こってるらしく喉がイガイガして上手く喋れない。
声を出そうとしても掠れた空気の音しか出なくて、大好きなキヨくんの名前すら呼べなかった。
「A腹減ってない？お粥食う？レトルトで申し訳ないけど…」
『たべ、る…』
「無理に喋らなくていいから」
待っててと私をベッドに寝かせてキヨくんは寝室を出る。
体はだるいし頭は痛いけど眠気はなくて、痛む頭を抑えながらSNSで動画投稿できないことを呟こうと青い鳥のアイコンをタップした。
開いて驚いた。
トップのタイムラインに出てきたのはキヨくんの呟き。
@kiyo
嫁が風邪ひいたから今日の動画は休み。スイが復活したら俺も動画とるしちょっとだけ待ってろー！
キヨくんまで休みにすることないのに。
私が寝てる間に1本くらい動画とれるのに。
弱った私の涙腺も同じように弱っているらしく、視界が滲んでいく。
家事をすることに慣れてないはずなのに、1日かけて私の看板をしようとしてくれる旦那さんの優しさが嬉しかった。
「Aできたぞーってどうした！？しんどい？」
お粥の良い香りをさせて寝室に入ってきたキヨくんはサイドテーブルにお粥を置き、枕元に座って私の目元を拭う。
そのキヨくんの手に自分の手を重ねた。
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作者名：ｍｉｌｌ | 作成日時：2021年3月12日 14時
