999本の赤い薔薇【ky】 (ページ8)

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episode 39 ページ8

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今朝目が覚めると寒くて身震いをした。
まだ寒い時期に昨晩そのまま裸のまま寝てしまったからそれが原因で寒いのかと思ったけど、なんだかその寒気とも違うような気がする。

起き上がろうと思っても頭が重くて体が言うことを聞かない。

「ん……、A？どした？」

モゾモゾと動いていたから隣のキヨくんを起こしてしまった。
申し訳ないなと思いながらも寒くて彼に抱き着くと、驚いた顔をしてすぐに服を着せてくれる。

「待ってAめちゃくちゃ熱い、しんどくね？」

『ん…、あたま、おもくて起き上がれん…、』

キヨくんのひんやりとした手がおでこに触れて気持ちが良い。
寒気はするし頭も痛いしで、思考回路が鈍っていることは一目瞭然だ。

「ちょっと待ってて、体温計持ってくる」

薬箱を持ってくるために離れた手が名残惜しい。
それを拒むほど私の体はまともに動いてくれないらしく、キヨくんがいない寂しさを紛らわすため体を丸めた。

「A、これ挟んで、ん、そう」

怠い体を動かして体温計を挟む。
しばらくするとピピっと軽快な音を立て、それに表記された数値を見てキヨくんは顔が歪んだ。

「38.5…？やべ…、A今すぐ病院行くぞ」

『ん…、キヨく、』

どうにもふらついてしまう体をキヨくんはしっかり受け止めてくれて、そのまま私を抱き上げ病院へ向かった。

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