999本の赤い薔薇【ky】 (ページ5)

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episode 36 ページ5

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天「でっか、大豪邸じゃん！」

新居へと遊びに来た天月はキラキラした目で家中を見ている。
まだ越したばかりで綺麗だから良いけど、恥ずかしいからあんまり見ないでほしい。

『人気実況者夫婦なめんな、てか天月もいけるやろ、印税もあるんやから』

天「下世話な話はやめなさい」

『ごめんなさいー』

天月が買ってきてくれたケーキを食べる。
キヨくんの次に好みわかってるなあ、と親友のチョイスに感心した。

「え？なに？天月くん来てんの？」

『あ、キヨくんお疲れー、そう、新居見たいって言われたから』

天「お邪魔してまーす」

動画編集のために実況部屋にこもっていたキヨくんが出てきて、冷蔵庫から綾鷹を取り出す。
ソファに座っていた私を抱き上げ、そのままキヨくんの膝の上に座らされた。

天「おーい俺客ー」

「スマブラでもすっかー」

天「無視すんな無視すんな、いいけど別に」

私のお腹に手を回してコントローラーを持ったキヨくんはその状態のままゲームをやり出す。
器用だなと手元を見ていると、突然天月の奇声が聞こえたからきっとキヨくんが勝ったんだろう。

『キヨくんやばあ』

天「Aいないときは負けること多いのにいたら100%勝つのまじでなんなの…」

「んなもんAいっからに決まってんでしょ」

天「うーわ、腹立つ！」

負けるところは見せたくないらしい。
キヨくんらしくて、愛おしくてそのまま後ろにもたれかかると、好きだからねってキヨくんは私の頭を撫でた。

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